お肉料理が大好きなチェコですが、クリスマスにはどんな料理を食べるのでしょうか。年に一度、家族が集まる特別な日。もちろん食事も特別なものに違いないと考えることでしょう。やっぱり大きなターキーを丸焼きに…と想像してしまいますが、意外にもチェコのクリスマス定番メニューは「鯉」です。
ではなぜ鯉を食べるのでしょうか。実はチェコではクリスマス(イヴも含みます)に肉を食べないでいると、幸せを呼ぶ金色の豚を目撃することができるという言い伝えがあります。しかし、折角のクリスマスに野菜しか食べないというのも少しさみしいですよね。そこで、魚を食べるという風習が生まれました。チェコには残念ながら海がありませんので、川の魚を食べることになります。庶民でも手軽に食べられる川魚ということで、クリスマスには鯉を食べるのが一般化したようです。この他にも、鯉は幸せを呼ぶ象徴であるとか、鯉を食べると健康に過ごせるとも言われています。
クリスマスマーケットでは木製の可愛らしいオーナメントを売るお店がたくさん出ています。クリスマスツリーやベルのモチーフのものが多いのですが、よく見てみると豚や魚の形をした飾りが並んでいるのに気が付きます。なぜ豚や魚が?と思っていたのですが、ちゃんとクリスマスにまつわるものだったんですね。理由がわかるとちゃんとクリスマスらしく見えてくるので面白いものです。
クリスマスが近くなると、写真のような鯉を売る露店があちこちに現れます。
1kgで79CZK(約400円)です。
大きなプラスチックのたらいにいっぱいに水をはり、そこにぎっしりと鯉を泳がせています。
お客さんは、生きたままの鯉を買って持ち帰り、家のバスタブで食べる直前まで泳がせていることもあるそうです。想像するとちょっぴりシュールですね。もちろん、お店の人に頼んでその場で捌いてもらうことも可能です。
身はフライに、内臓はスープにして食べます。この他に、ジャガイモのサラダも一緒に出されるのがチェコのクリスマスの定番です。
私はあまり揚げ物を作るのが得意ではないので、フィッシュレストランで鯉のフライを食べることにしました。チェコ人の知り合いにおすすめのお店を聞いたところ、地下鉄C線のコビリシー(kobylisy)駅を出て少し歩いたところにある”Grill bar Rodr” というレストランを教えてもらいました。
入り口の可愛い魚のモチーフが特徴的ですね。観光客向けというよりも、地元の人向けのお店です。アット・ホームな雰囲気が魅力でリラックスして食事が楽しめます。英語で注文しましたが、ちゃんと通じましたよ。魚料理が中心で、魚の大きさによって値段が変わります。量り売りのような感じですね。予算を伝えておくと、ちょうど良い量のお料理を出してもらえますよ。
今回はお目当ての鯉のフライを注文しました。100gで65CZK(約325円)でしたが、一人前でだいたい120CZK(約600円)ほどになりました。
さて、お味の方ですが、川魚とは思えないくらいに臭みがなく、さっぱりホクホクとしていました。レモンを絞ってペロリと完食。実は鯉を食べるのは初めてだったのですが、想像以上に美味しくてびっくりしました。
鯉のフライはクリスマス時期以外でも食べられるので、是非トライしてみてください。
余談になりますが、日本でお正月に餅が喉に詰まって病院に運ばれるニュースを耳にするように、チェコではクリスマスに鯉の骨が喉に刺さって病院に運ばれることがあるんだとか。骨には十分に注意して召し上がってくださいね。
Grill bar Rodr
HP:http://www.rodr.cz/
住所:Rodr a spol. zalo?eno 1918 Klapkova 731/34, Praha 8
電話:+420 284 680 856
アクセス:地下鉄C線コビリシー(kobylisy)駅より、徒歩3分