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- 【海外生活アドバイス】アルゼンチンのタトゥー文化
アルゼンチンに来て驚いたことの一つが、タトゥーをしている人の多さです。
ぎょっとするような色合いの派手なタトゥーを両足のふくらはぎ全体に施し、
街を闊歩する女の子。
お洋服とのコーディネート、大変だろうな…、
なんて思わず心配してしまうものから、
「Gabriela(お母さんの名前)愛してる!」
なんていかにもラテン文化らしい家族愛溢れるほっこりしてしまうものまで、
デザインも種類も千差万別です。
彫師さんが、デザインの参考にする本を作るということで、
知り合った方の写真と話をもとに、
今回はアルゼンチンのタトゥー事情についてお話ししたいと思います。
日本の入れ墨は別格!?
タトゥーは10年以上前から流行としてあるにはあったそうなのですが、
爆発的に流行しだしたのはここ3年くらいで、
とても有名なテレビのパーソナリティーが派手なタトゥーを腕中にして
露出したことがきっかけだとか。
種類としては、
日本の入れ墨、アメリカの海兵隊のタトゥー、アフリカ等の部族タトゥー、リアリズムタトゥー(写真等を再現)、グラフィティ(壁の落書きの様なイメージ)が主流だそうです。
色の再現、デザインの複雑さ繊細さ、彫りの技術、
全てを含めても日本の入れ墨のレベルが一番高いらしく、
お話しして下さったタトゥー愛の強い彼も、
本当に日本の入れ墨は素晴らしい!と絶賛していました。
顔全体に施されたタトゥー
「写真を撮らせて下さい!」
とお願いすることを躊躇ってしまったことを未だ後悔しているのですが、
ブエノスアイレスの繁華街、Florida 通りを歩いていた時のこと、
向こうから顔全体をタトゥーで覆った女性が歩いてきたのです。
さすがに、タトゥーに慣れてきた私とはいえ、
顔全体の表情すら分からなくなってしまうような彼女のタトゥーにはぎょっとしてしまいました。ただ、非常に印象深かったのが、彼女と目が合った時、彼女の目がとても澄んでいて美しく、微笑みを感じられたことです。
このコトをそのタトゥー師の彼に
「何故、彼女はそんなことをしたんだと思う?」と聞いたところ、
「顔全体っていうのは、よほどの覚悟がいるよね。とにかく彼女は誰もやっていないことをして、オンリーワンの存在になりたかったんだろうね。」と。
彼女の目から美しさや微笑みを感じたのは、
自分のやりたいことをやっている満足感と自信からくるものなのだなと感じさせられました。
やはり日本は「ゲイシャ」なんですね…
依頼を受けて、モデルをしてくれる友人を連れ、
着物ドレスと浴衣を持って行ったのですが、
現代的な雰囲気とトラディショナルなものを撮影したい!ということで、
急遽、自分の撮影でついてきていた友人もモデルとして駆り出され、
あっという間に「外国人の求めるオリエンタル」の完成。
顔を真っ白に塗られ、真っ赤な口紅をおちょぼ口に塗られた彼女は不服そうではあったのですが、とても面白い撮影時間を過ごすことができました。
彼女達の写真は本になって、そのまま色んな人の身体にデザインとして刻まれていくそうです。
その仕上がりを是非見てみたいものです。
タトゥーに対する認識
こちらでは大概、30前後くらいまでの人であれば
何かしらタトゥーを入れていいる人が多いように感じます。
40代以上の人に聞くと「若かったらやったかもしれないけどねぇ。」という声を聞きます。
層としても、何か特別な社会層の人がしている訳ではなく、
お堅い会社にお勤めのお嬢さんでも背中中に好きなサッカーチームのシンボルや、
龍のタトゥーを施していたりします。
私は自分自身がタトゥーをすることに対しては、
将来、気が変わったら困るじゃないか…等々考えるので、
することはないと思うのですが、
少なくとも個人の表現としてのタトゥーは面白いと思う今日この頃です。
何しろ、これだけ毎日タトゥーだらけの人を見ていると、
「日本ではタトゥーしていると外国人であっても入れない銭湯やプールがあるんだよ」、
といった話をした時のアルゼンチン人のショックを受けている様子に、
異文化理解というよりも、個人の表現の自由を理解するという意味合いで、
日本はもう少し寛容になって欲しいなと思う今日この頃です。