長く暗かった冬も終わり、ようやくチェコにも春がやって来ました。4月半ばになってやっと気温も15度を超えるようになりました。天気の良い週末などは、今まで家にこもっていた分を取り返すように人々が外へ日光を求めて繰り出します。春は花の咲き始める季節です。今回はプラハの街中や人気散歩スポット・ペトシーン公園で春の花を探してみましょう。
水仙は春の花の代名詞
公園への道すがら、水仙が咲いているのを見つけました。水仙はヨーロッパでは春の花の代名詞です。水仙はチェコ語でNarcis(ナルチス)です。ギリシャ神話に登場するナルキッソスという少年の名前から付けられています。白もしくは黄色の花が咲きます。
チューリップも春の代名詞
水仙と同じ場所でチューリップ(Tulipán)も咲いていました。どちらも球根植物ですね。球根から芽が出る植物は、一定の寒さに当たらないと上手く育たないそうです。チェコの自然環境にはピッタリなのかもしれません。我が家の庭(共有スペースです)にもチューリップが咲いています。先日、管理人のおじいさんが芝刈りをしていました。どういうわけか庭の真ん中に生えてしまったチューリップがあったのですが、そこだけは刈らずに置いてありました。きっと、せっかく春の訪れを知らせてくれたチューリップなのに、刈ってしまうのが心苦しかったのでしょう。ちょっと和みますね。
春といえばやっぱり桜
日本で春の花といえば桜ですが、チェコでも桜が美しく咲いています。ペトシーン公園はプラハでも有数の桜の名所です。ただし、日本的に桜を特別に愛でるという感じではなく、春に花の咲く果樹の一つとして親しまれています。「さくらんぼの木」ですね。さくらんぼの収穫時期になると、公園にやってきたプラハっ子がひょいとさくらんぼを摘んで食べています(マナー違反ではないそうなのでご安心を)。
白くて可愛い梨の花
白い桜が咲いていると思っていたのですが、どうやらこちらは桜ではなく梨の花のようです。これも果樹ですね。パッと見は桜にそっくりです。桜も梨も楚々として華やかな花を咲かせてくれます。
イースターの花・レンギョウ
この黄色い花はレンギョウ(Zlatice)です。レンギョウはイースターの花として親しまれています。イースターエッグのデザインとしても描かれていたりします。ヨーロッパにはバルカン半島原産のレンギョウがあるそうですが、公園などで植えられているものは、ドイツで品種改良された観賞用のものが多いそうです。花が大ぶりで見応えがあります。イースターでは、このレンギョウの枝にカラフルな絵のついたイースターエッグを飾ることもあります。
春を告げる花・木蓮
ロープーウェイのりばの側に木蓮(Šácholan liliokvětý)の木があります。私が訪れた時は丁度花が見頃でした。
花の見頃は3~4日とのことで、とても良いタイミングで見ることができたようです。
色鮮やかなパンジー
パンジーは非常に寒さに強く、また交雑が進み色の種類も豊富とあって、春先にはよく目にする花です。繁殖力が強いので、雑草を抑える効果もあるのだとか。
チェコ人の友人に聞いたところ、この他にも春の花といえば待雪草(Sněženka)や猫柳(kočičky)を想像するとのことでした。コチチュキー(kočičky)はチェコ語で子猫ちゃんという意味です。どこの国でもあのフワフワは猫を連想させるんですね。
4月に入り、段々と日が長くなって、温かい日も増えてきました。ペトシーン公園はカレル橋や旧市街広場などからも近く、プラハ城がよく見える絶好のロケーションです。また、景観のためでしょうか、街の至る所に綺麗に花が植えられています。麗らかな春の日差しを浴びて、散策がてら花を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。