衝撃の事実
フィンランドと言えばサンタクロースの国。
フィンランドのクリスマスは華やかだろうと思ってらっしゃる方も多いかもしれませんが、意外と素朴です。
日本の方が明かりの色も数も多くて派手かもしれません。
そう感じていたことの1つに、
私が住むフィンランド北部最大の都市オウルには、
クリスマスマーケットなんてものは2010年夏に引っ越して来てから一度も見たことがなく、
一昨年、昨年とチェコのプラハまでクリスマスマーケットを楽しみに行ったくらい。
フィンランドには、ドイツやチェコなどのその他ヨーロッパにあるクリスマスマーケットは
ずっと無いと思っていました。
ですが、先日会ったヘルシンキ在住の友人との会話で、
私:「フィンランドってクリスマスマーケットってあるの?」
友人:「えっ?!」(とてもびっくりした表情)
私:「ん?ヘルシンキにはあるの?」(とてもびっくりした表情)
友人:「大聖堂の前で毎年マーケットが出てるよ。」
私はクリスマスマーケットを出している街があることを知らず、反対に友人はクリスマスマーケットが出ていない街があることを知らず、お互いに新たなことを知った衝撃の日でした。
クリスマスマーケットはどこでやってるの?
早速調べてみたら、
ヘルシンキ以外にもトゥルク(Turku)、タンペレ(Tempere)、ポルボー(Porvoo)などで
開催されていることが判明。
そして、主にフィンランド南部の街で行われていることも分かりました。
This is Finlandのクリスマス関連記事(2015年11月更新):
http://finland.fi/christmas/old-time-magic-at-christmas-markets/
今年はクリスマスマーケットシーズンに仕事でヘルシンキに行く予定があったので、
この機会を利用して、ヘルシンキとポルボー(ヘルシンキから路線バスで約1時間)のクリスマスマーケットを見てきました。
そして、なんとオウルでも今年はクリスマスマーケットが出るというチラシを見つけ、
オウルの様子も見てきました。なんというタイミングの良さ。
やっぱり大規模な“ヘルシンキ”のクリスマスマーケット
ヘルシンキのクリスマスマーケットはヘルシンキ大聖堂の前だけではなく、
ケーブルファクトリーなど様々な箇所で行われています。
私が訪れたのは大聖堂前。マーケットをエリア外から見たときは明かりが少なくて、
閉まっているかと思いましたが、エリア内に入ると多くの人で賑わっていました。
多くの小屋が連続して立ち並び、ヒンメリ、ニット製品等のハンドメイド品、
グロッギ(フィンランドのクリスマスの飲み物)などを売る飲食小屋も多く、お酒が飲めるところ、
そしてメリーゴーランドもありました。屋外トイレも完備されているという充実さ。
ヘルシンキの特徴は、クリスマスサウナでしょうか。
移動式の薪サウナが設置され、ビジターの方も楽しめるとか。
冬の凛とした空気の中でのクールダウンも、きっと良い思い出になることだと思います。
また、もう一つの特徴として12/13に行われる聖ルチアのパレード。
毎年、聖ルチアに選ばれた若い乙女がキャンドルの冠を授与され、ヘルシンキ大聖堂の階段を降りていくという催し。
聖ルチアは民間伝承では天の光を運ぶ聖女とされ、
また暗闇に光を与える女神。まるで太陽のような存在。北欧のこの暗い冬に、
みんな光を求めているのでしょうね。
オウルはこの時期になると日照時間が4時間を切るので、光が恋しく有難いのがよく分かります。
ヘルシンキクリスマスマーケット:
http://www.visithelsinki.fi/en/whats-on/events-in-helsinki/enjoy-christmas-city-helsinki
地元志向の“ポルボー”のクリスマスマーケット
地元のものに拘るのがポルボーのクリスマーケットの特徴、
というその言葉通りのクリスマスマーケットでした。
地元の人達が作った手作り品にあふれ、マーケットそのものも手作り感満載のクリスマスマーケットという印象でした。
規模はそれほど大きくないものの、多くの方たちが足を運んでいて、
マーケットまでの道沿いにも店(アンティークショップが多い)が立ち並び、
クリスマスの買い物を楽しむ人達で賑わっていました。
質素だけれども伝統を感じるポルボーのクリスマスマーケットも、趣があって良いものです。
ポルボークリスマスマーケット:
http://tourism.porvoo.fi/en/christmas_in_porvoo
“オウル”にもクリスマスマーケットがやってきた!
オウルにもクリスマスマーケット登場!
私が越して来たのは2010年夏ですが、初めて目にします。
ティエルナトリ(Tiernatori)という名が付いたクリスマスマーケット。
10軒ほどの小屋が、世界エアギター大会開催地と同じロトゥアーリ(Rotuaari)と呼ばれる
街の中心部の広場に立ち並んでいます。
ここでも、オウルやオウル周辺のハンドメイド品を作る方々が小屋で販売していて、
コニャックを表面に塗ったサーモンが美味しかったです。
マーケットはかなり小規模ですが、
オウルの特徴はティエルナポヤト(Tierapojat)=ティエルナボーイズ(Tierna Boys)の歴史ショー。
ティエルナボーイズとは、聖書の物語の一つに出てくる三人の王様達。
ドイツのケルンで崇拝され、その後三人の王様について歌われた民族音楽を通してこの崇拝が広まり、
最初はラテン語で演奏されていましたが、国から国へ伝わる間に各地で特徴を持ったものに変化し、
今日オウルで知られるティエルナボーイズ歴史ショーは、この古きヨーロッパの伝統から派生したものだとか。
今ではフィンランドのクリスマスの伝統として、
クリスマス時期になると若い男の子達が歌い、演技をします。
ティエルナボーイズ歴史ショーは、
ドイツからデンマークとスウェーデンを経由してフィンランドに伝わり、
フィンランドでは特に北部オストロボニアが知られており、
そこに属するオウルが一番有名で、オウルはティエルナボーイズの本拠地となっています。
そのため、フィンランド語の歌詞はオウルの方言で歌われているそうです。
フィンランド他都市のクリスマスマーケットでもこの歴史ショーは行われていますが、
ここでもきっとオウル方言で歌われているのでしょうね。
ティエルナボーイズの本拠地オウル。
なんと、ティエルナボーイズコンテストが毎年行われており、
選ばれた子供たちはクリスマスイベントで歌い、演技をします。
また、男の子だけに機会を与えるのは平等ではないので、女の子部門(ティエルナガールズ)もあるようです。
オウルクリスマスマーケット(ティエルナトリ):
ティエルナタウンオウル(以下リンク内の動画を是非ご覧ください):
http://www.tiernakaupunki.fi/6
その他都市のクリスマスマーケットのリンク
トゥルク:https://www.turku.fi/en/christmas-city
※クリスマス平和の宣言都市で、ムーミンワールドが近いこともあり、サンタとムーミンの夢の共演が見られる日があるとか(http://turunjoulutori.fi/ohjelma)。
タンペレ:http://tampereenjoulutori.fi/en
フィンランドの手作り品に出会え、
フィンランドのクリスマスの雰囲気を味わえるクリスマスマーケット。
各地で色んな表情を持っているので、毎年場を変えて訪れるのも楽しいかもしれませんね。