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【暮らし・住まい】木の教会 in Kärsämäki(カルサマキ) ~現代建築と18世紀技法の融合~【フィンランド】

 

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木の教会プロジェクト

フィンランドには、日本では余り見かけることのない木の教会がいくつかありますが、その中でも日本のガイドブックには無い教会を1つご紹介したいと思います。
私の住むオウル市から南に120kmのところにある、人口3000人ほどのKärsämäki(カルサマキ)という小さな街にある木の教会です。この教会は、外観の美しさに目を惹かれ、脳裏に焼き付くほどの印象の強さを持ち合わせています。
この教会は「木の教会プロジェクト」として、オウル大学建築学部、カルサマキ教会区、地元議会、UPMなどの民間企業が参加し、ボランティアワークによって建てられたもので、デザインは現代建築ですが、18世紀の技法を用いており、木造建築に携わっている方々にとっても大きく興味を持つ教会だと言えるでしょう。

元々カルサマキには、1765年に最初の木の教会が建てられましたが、集会スペースとしては小さく、またかなり老朽化していたこともあり1841年に取り壊されました。
古い教会建築に関する十分な資料が残っていなかったことが発端となり、「木の教会プロジェクト」がスタート。このプロジェクトは、新たに建てる木の教会は、現代的なデザインを有するが、18世紀に行われていた手作りの技法によって建設するというもので、1999年にオウル大学建築学部がコンペティションを行い、Anssi Lassila(アンッシ ラッシラ)氏のデザインが採択され、2000年~2003年末にかけてこのプロジェクトが遂行されました。

 

機械を使わず、全て手作り
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新たな木の教会は川のすぐ側にある、とても美しい場所に建てられることが決まり、地元教会区が保有する松の木を使って建設されました。
18世紀当時の技法では、機械を全く使用しません。木を倒したり、切り出すのに斧やのこぎりを使い、また切った木は馬の力を借りて運んでいました。
また、この教会で使われているネジ、錠前、ロウソク台などの鉄製の部品は、不要な金属を鍛錬して作られたものだそうです。

 

屋根板教会
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この木の教会はCore(コア)と呼ばれる中枢部分と、Cloak(クローク)と呼ばれるコアを覆いかぶす部分とで成り立っています。
コアはログ材で建てられており、クロークはうろこ状の屋根板の外側にタール(松ヤニ)を塗布したものを部材として使用しています。オウルはその昔、タール貿易で栄えていた街。木造船の補強材として使用されていました。タールを塗布することで、木材は補強され、天候にも強いものに生まれ変わります。また、タールの黒さがこの教会に独特の雰囲気を持たせ、見る人を魅了させる効果も生み出しています。
このように、屋根板を外壁に使っているということで、この教会は別名:Shingle Church(シングルチャーチ、屋根板教会)とも呼ばれています。

コアの部分は、木と木を組み合わせて建てられており、接合部に木が使われています。
教会天井部分(突出部)も、斧などによって切り出された木材で作られています。
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教会内部で使用されている聖書台の布や、聖水用のガラス製ボールも全て手作りだと、ガイドの方が教えてくださいました。
http://www.architonic.com/aisht/karsamaki-shingle-church-lassila-hirvilammi-architects/5100120
上記リンク内の写真で、屋根板部分や内部構造の詳細を見ることができます。屋根板を打ち付けるのに使っているクギも手作りで、これにもタールが塗布されています。

 

現代と伝統の完璧なる融合
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2004年に完成したカルサマキの木の教会。
昔ながらの技法を後世にまで伝えていく(残していく)、という木のプロジェクトによって建てられた教会。その技法を持つことで、デザインは現在のものであっても、研究としても観光としても十分な魅力を持っており、歴史的な価値をも創り出しています。
こういった形で古き良き伝統が現代にも残っていく。世界的にも重要な建物であり、色んな意味で、楽しませてくれる木の教会だと思います。
現在は、教会としてだけではなく、音楽などのイベントでも使用されているそうです。ちょっと行き難い場所にありますが、一見の価値がある教会です。

【カルサマキ木の教会サイト】
http://www.paanukirkko.fi/english.htm

 

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