
【世界のクリスマス】クリスマスは鍋を囲んで~フォンデュ・シノワーズ~【スイス】
クリスマスが近づき、ヨーロッパの町は一段と華やいでいます。
お店もクリスマスプレゼントやお歳暮を買う人でごった返し。
寒くて暗い冬ですが、みんなウキウキ気分の12月を迎えています。
家族でクリスマスディナー
こちらで生活してみると、ヨーロッパで一番大切な行事は、
やはりクリスマスなんだなーと実感します。
クリスマスまでに、家族や親戚に贈るプレゼント選び、部屋のデコレーション、
そして当日の洋服選びなど余念がありません。
その中で、お母さんたちがかなり気合を入れるのがクリスマス料理。
日本では、恋人同士でディナーが定番ですが、
意外にもこちらは家族で集まることが多いのです
(羨ましいことに、普段から二人っきりでディナーをする時間が十分あるということもありますが)。
雑誌やテレビもクリスマス料理の特集がたくさんあるので、
新しいメニューのアイデアに不足はありません。
お店でも、クリスマスディナーを注文することができます。
前菜として、シーフードの盛り合わせは人気です。
スイスやドイツのお店と違って、魚介類が豊富に売られているフランスですが、
特に12月は甲殻類と貝類が充実します。
普段は見かけない、オマール海老やキングクラブ、カキなど、日本人の私にはうれしい季節です。
イブは魚料理、25日は肉料理
多くの家庭では、24日のクリスマスイブは魚料理が食べられます。
普段でも、金曜日は魚の日という家庭も多いので、キリスト教の影響が大きいのでしょう。
そして、25日はお昼のランチをメインとした長いランチです。
11時ごろから集まって、シャンパンや白ワインの食前酒で乾杯し、ランチに入ります。
家庭によって、七面鳥だったり、子羊だったりとメイン料理は様々ですが、
スイスの家庭で人気なのがフォンデュ・シノワーズです。
フォンデュと言えば、チーズフォンデュを思い浮かべるでしょうが、
スイスではフォンデュと名の付く鍋料理が色々と存在します。
シノワーズはフランス語で中国風という意味で、ブイヨンスープでお肉を頂きます。
その他にも、油でお肉を揚げるフォンデュ・ブルギニヨン、
魚介類を使うフォンデュ・ジャポネーズ(日本風鍋!)なども人気です。
西洋風鍋 フォンデュ・シノワーズ
フォンデュ・シノワーズはチーズ・フォンデュ用のフォークにお肉を刺して鍋に入れて、
茹で上がったら色々なソースで食べるという簡単な物。
お肉は、すき焼き用くらいの厚さの肉を丸めたものや、
一口大に駒切にしたものが使われます。
お肉の種類も、牛肉、子牛、馬肉、七面鳥が定番で、
鶏肉やダチョウ肉もときどき見かけます。
豚肉は、匂いと茹ですぎると硬くなるということから、メニューに登場しません。
鍋のスープは、コンソメスープが使われます。
唯一シノワーズ(中国風)を感じさせられるのがこのスープで、
白菜、モヤシ、人参、そしてこちらで中華キノコと呼ばれているキクラゲを入れます。
一般的な日本の鍋の時よりも長時間(2時間くらいはザラです!)行われるので、
食べ終わった後の鍋の中の野菜類は味も十分しみ込んでクタクタになっています。
これを締めのスープとしていただきます。
ソースは、スイスのスーパーに行くと色々な種類のものがセットになって売っていますが、
やはり自家製が一番。ヨーグルトを基準に、色々な調味料を加えて、3、4種類作ります。
いくつかのレシピを紹介します。
カクテルソース Sauce cocktail
マヨネーズ 大匙1、ケチャップ 大匙1、コニャック 大匙半分、レモン汁 0.25㏄、
ガーリックソース Sauce à l’ail
マヨネーズ 大匙半分、ヨーグルト 大匙1、すりおろしニンニク 一かけら分、
カレーソース Sauce au curry
マヨネーズ 大匙半分、バナナ 半分、リンゴのすりおろし 4分の1個分、炒めたココナッツパウダー 大匙半分、カレーパウダー 大匙半分
オリーブソースSauce aux olives
マヨネーズ 大匙半分、ヨーグルト大匙1、パルメザンチーズ 25g、小さく刻んだオリーブ 大匙1、唐辛子 少々
塩コショウで味を調えて、パセリなどのハーブを刻んで混ぜ合わせます。
他にも、ハニーマスタードソースや、アボカドソースで食べるのもおいしいです。
スイスでは、フォンデュのソース用のお皿も売られているんですよ。
付け合わせは、色々な種類のサラダとピクルス。
そして、なぜかポテトチップスかフライドポテトが出されます。
しゃぶしゃぶやすき焼きなどは、長時間お肉を鍋に入れておかないので、
初めてフォンデュ・シノワーズをした時に、食べるペースの遅さにびっくりしました。
しかし、こんな風にゆっくりと話をしながら、
のんびりと食事をするのも良いものだと思ったのも事実。
是非みなさんも、このクリスマスにフォンデュ・シノワーズはいかがでしょうか。