フランス 自然災害

ヨーロッパの災害事情[フランス]

P1010560_1

日本では台風による被害が多い季節。自然災害に度々見舞われる日本では、皆さん災害時に十分備えていると思います。

 

 

【突風によりなぎ倒された木々】

昨年夏のシーズン到来前に、物凄い強風に見舞われたシャモニー界隈。樹齢100年は超えるのではないかと思うほど大きな木でさえ、全て強風により倒れ、シーズン前急ピッチで各所被害が出た場所の木の撤去作業が行われました。しかし幾ら人を増やしても、シーズン前までに間に合わないとこともあり、ハイキングコースの中には紐を貼られ、出入り禁止になったところもあらわれたほど。撤去でききれない木には簡単な階段が設けられ、登山道に放置されたままになりました。現在でも登山道を歩いていると、なぎ倒された木の爪あとを確認することができます。

 

フランス 自然災害 フランス 自然災害

シャモニー中心街のスケート場の屋根は吹き飛び、改修工事が必要になったため、予定よりも早く閉まったりしました。ホッケーが大変強いシャモニーにはホッケーをする子達も大変多く、幾つものチームが存在します。それだけでなく、フランス各地から夏場バカンスがてら強化合宿に参加するチームも年々増え、スケート場は各チームの取り合いで地元のフィギュアスケートチームの合宿時間も減ってしまいました。さすがお金持ちのスポーツ、フィギュアスケート。子供たちの合宿中、各家庭は親たちもホテルに泊まり込むので、いったい幾ら掛かるのでしょうか?そんなわけでこんな災害があると、営業にも大変影響します。

 

日本と比べると、地震は圧倒的に少ないヨーロッパ。そのため、築100年以上を超える家がたくさん残っていますよね。見た目は中世の面影を色濃く残しながら、中は住んでいる人たちにより快適に過ごせるように改築工事が施されています。

 

P1010366_1

しかし4000メートル級のアルプスがあるシャモニーでは、日々雪崩の音を耳にすることも頻繁にあります。そんな時には地響きもあり、夜中に目が覚めることもあります。もちろん、人工的に雪崩を起こすこともあります。毎年多くのモンブランを目指す人がこの雪崩により、尊い命を失います。そんな時は、災害救助ヘリが多く出動します。

 

 

 

【大氷河の下の洪水危険区域】

P1010401_1

そして、モンブランエキスプレスの基点となる町、サンジャルベ・レ・ヴァン・ル・ホアイエ駅の周辺では近年洪水の危険にさらされています。

 

フランス 自然災害 フランス 自然災害

大氷河から受ける自然の恩恵水は、モンブランブランドとしてミネラルウォーターも発売されています。もちろんモンブランの反対側、イタリアのクールマイヨールでもミネラルウォーターが発売されています。面白いことにふたつを飲み比べてみると、同じ山なのに味が違います。水がないと生きることができない私達ですが、一方でその水が多すぎるために海辺ではなく大氷河の下に当たる町で洪水の危険性があるなんて意外ですよね?しかも、この場所、四方八方に山は見えますが、シャモニー中心街よりも山は遠くにあります。しかし、以前にも大洪水に襲われたそうです。

そのため、この辺の不動産屋を回った際に、どの地区は災害の危険があるか地図を見せて教えてくれます。アパートを貸す前に、不動産屋は告知する義務があるからです。

もちろん大洪水にならないように、ダムなどを設置し水の量を調整するなど対策に当たっています。

 

P1010559_1

シャモニー界隈の川沿いに建てられた家々。今年の夏は冷夏で朝晩下界は雨の日が多く、川の水が増水しています。この川を使いラフティングなどを満喫する人もいますが、危険と隣り合わせです。シャモニー中心街でも、大雨の時に浸水被害にあった場所も幾つかあります。

水といえば、つい先日フランス国内の泊まりこみの臨海学校で汚染された水が原因で死亡した子がいます。この臨海学校の責任者も、その臨海学校がある町の町長さんも刑務所行きだとか・・・・。高いお金を払って夏休みを満喫させようと臨海学校に8歳の子供を送り出した親御さんの気持ちを考えると、とてもやるせない気持ちになりますが、責任ある立場につく人も大変ですよね。

 

欧米人の地球温暖化に対する意識】

P1010389_1

 

ジョネーブ側から電車でシャモニーを目指す人が、モンブラネキスプレス2つ目の駅シェードと3つ目の駅セルボウズの中間で見ることができるごみ処理場。大自然の中に突如として現れる巨大施設からは良く見ると有害な煙が出ているのを確認できます。この施設、ジブリ映画の「天空の城 ラピュタ」の冒頭に出てくる感じに良く似ています。

 

P1010564_1

フランスでも地域のゴミ捨て場には、生活残飯とペットボトル、紙類、ビン類など区分できるようになっています。しかし、日本のように罰則があるわけではないのできちんと分類している人はほんのわずか。私達のアパートの郵便受けには週一回くらいの割合で各スーパーなどの広告がはいってきます。しかし、郵便受けの近くにあるゴミ箱に捨てる人が多発。結果ゴミ箱を撤去したら、なんと床にそのまま捨てる人が多発して、床が散乱状態。他の人がやっているから私もと続く人が多く、マナーの悪さを感じます。大人が悪い見本を見せていたら子供も真似をしますよね。アパートの階段には、子供たちが飲み残しのペットボトルやお菓子の袋、吸殻などを平気で捨てています。日本よりもナショナルジオグラフィック系の特集番組も多いヨーロッパですが、中々人々の意識を変えるのは難しいようです。大自然の恩恵をふんだんに受けている土地に住みながら、こんな意識では地球温暖化を食い止めることは不可能なのではと思います。

 

【フランスの防災訓練】

地震への心配がないせいか日本と違い学校でも災害時にあたっての防災訓練とかは行われていない模様。災害時のための非常食の準備なども日本とは違い、備えている人もいないのが現状ではないのでしょうか?

ただし、小学校でも人命救助の研修が行われました。人工呼吸などの応急処置の研修を受けた子供たちが研修認定修了書などを授与されました。この人工呼吸の仕方ですが、一度研修を受けただけでは正直身にはつきません。私が日本でスポーツインストラクターをしていた時に、毎月のように実技テストが行われました。力の入れ加減では下手をすると、大切な胸骨を折ってしまう危険性もあります。幾ら訓練を受けても人形相手で、実際の人間を使っての練習はできないし、実際本物の場面に直面した時に果たしてきちんとできるのでしょうか?

私が勤めるホテルには、頻繁に消防署勤務の方が泊り込みで研修に来られます。一週間ぐらい掛けて行われる研修は、山の中での研修がメインのようで皆さんロッククライミング用の装備を携帯しています。消防署の他にも警察にも山岳救助隊を専門に取り扱う部署もあります。

もちろん山岳ガイドにも、厳しい研修が用意されています。あるガイドさんは、初めて日本人旅行客をモンブランに案内した時のことを語ってくれました。無事登頂後、スキーでモンブランを下ることに。しかし英語もフランス語も分からない彼ら。ガイドさんが、「そっちはクラバスがあるから危ない。」と英語で言ったのに理解できず、見事にクラバスに落ちたそう。もちろん彼はクラバスに降りて、彼らを無事救助しました。大自然の壮大な景色はストレスも発散してくれますが、その一方で危険はつきものであることをしっかりと把握しておかなければなりません。

ヨーロッパでは万が一に備えている方は少ないと思いますが、日曜大工が好きな方が多いため一通り大工道具は揃っています。更に、日本よりも圧倒的にロッククライミングなどを楽しむ人が多いため、クライミング用のロープなどもある家庭が多く、万が一の時には代用できるのではないでしょうか?

 

【海面よりも標高が低い平地での洪水被害多数発生】

ヨーロッパの多くの海辺の町は、大雨の際に洪水に見舞われます。オランダなど海面よりも低い位置に家が建っている場所が大変多いヨーロッパ。日本人観光客にも人気が高いイタリアのヴェニスも、度々洪水に襲われ、水浸しになりながらスーツケースを抱えている人の映像も多く見受けることがありませんか?私も何度もヴェニスを訪れたことがありますが、幸いのことに洪水の数日前でした。

世界遺産も多く、大変美しい町ヴェニス。「アックア・アルタ」と言う言葉をニュースで耳にした人も多いでしょう。アックアとはイタリア語で水の意味。高潮によって引き起こされます。アックア・アルタは、年間に4回発生し、ヴェニス総面積の14パ-セントを水没させてしまいます。この美しい世界遺産を守ろうと、世界規模での援助活動が行われています。モーゼ計画という言葉を耳にした人もいると思いますが、水には水をという新しい発想を発表した方もいます。

詳細は、http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120120001を見てくださいね。とても斬新的な発想が書かれていて、大変興味深いですが、かなり一か八かの対策のような気もします。ちなみに、モーゼ計画とは高潮発生時に伝道可動式の防潮提が立ち上がります。イメージ的には、イギリスのロンドンのテムズ川の防波堤といってもよいでしょうか?

イギリスと言えば、映画007。テレビドラマ版、「MI-5 英国機密諜報部 シーズン5 10話 ロンドン水没」をご存知でしょうか?まだ見ていない方は、是非http://video.fc2.com/fr/content/20140211cZu5a1Uw/ を見てくださいね。もちろんドラマなので作られたストーリーですが、ロンドンの防波堤のことについて楽しみながら理解できると思います。

ヴェニス、オランダ以外にもフランス各地の海辺の町で大雨の時に、大洪水が発生しています。海がないヨーロッパ内陸部の国でも、度々ニュースになります。日本のように各学校に体育館がないフランス。万が一災害時にどこに避難すればよいのか、正直パニックになるのではないのでしょうか?

 

【大自然の驚異を実感できる場所に行ってみましょう】

P1010398_1

地震大国日本に住んでいると、子供のうちから何度も地震を経験した人がいると思います。中には、学校の体育館などで避難生活を余儀なく送られた方も多いのではないでしょうか?欧米人に比べて常に自然の驚異を実感しなければいけない国に住んでいる皆さん。しかし、日本での山岳ガイドの基準はフランスに比べたら比べ物にならないほどなので、よく山での事故が取り立たされるようになりましたよね。もちろんガイドへの徹底した教育が施されているフランスでも、モンブランでは毎年数多くの死亡事故が起こってしまいます。そこでシャモニーを旅行しようと考えている方に是非訪れて欲しい場所が、大氷河。前回ご紹介させて頂いたサンジャルベ・レ・ヴァン・ル・ホアイエ駅からモンブラン登山鉄道に乗って大迫力の大氷河にアプローチするもよし。エギュイユ・ディ・ミディと並び、シャモニー観光の二代名所であるメ-ル・ドゥ・グラスに行くもよし。メール・ドゥ・グラスは、大氷河の下に入れるようになっています。ひんやりとした氷の洞窟内は色とりどりのライトで氷が幻想的にライトアップされており、子供連れに人気のスポット。ただ大自然の荒々しさを実感したいなら、サンジャルベ・レ・ヴァン・ル・ホアイエ駅より大氷河にアクセスするほうをお勧めします。大氷河の下にはごうごうと音を立てて、雪解け水が流れています。その上を数メートルに及ぶ氷が覆いかぶさっており、クラバスに落ちた時の危険性を肌で感じることができます。

シャモニー界隈には、本格的に登山をしない方でも他に二箇所大氷河の脅威を実感できる場所があります。ひとつは、シャモニー市内から二番のグラシエ・ボッソン行きのバスで終点で降り、そこから大氷河の真下まで連れて行ってくれるリフトがあります。

更には、冬場シャモニー界隈では一番人気のスキー場、アルジェンティエール。ここからロープウェイに乗り、降りたところから大氷河の真上まで歩くことが可能です。

モンブランに登ってみたいと登山経験がまったくなく、きちんとした装備を持っていないでガイド協会を尋ねる方もいるそうです。数々のヨーロッパアルプスの登山経験がある私も、いつかはモンブランを登頂してみたいと考えていますが、やはりまだ実力が伴うのか不安があります。大自然の風景は私達をリフレッシュしてくれ、生活にも潤いをもたらしてくれるものである一方、一瞬にして私達の命を飲み込んでしまう脅威もあることを常に念頭に入れておかなければいけないのかもしれません。

> この記事について報告する

関連するおすすめ記事

英語ができれば海外生活もスムーズ!オンライン英会話でらくらく英語レッスン! プチ海外生活を体験してみよう!まずは短キ留学でその国を知ろう! 出張のお土産に和柄マカロン 海外旅行、海外出張はフィールアブロードにお任せ!

絞り込み検索

ページ上部へ戻る