海外のポケットティッシュ

花粉と風邪の季節は要注意?日本では常識なのに海外ではマナー違反なあのしぐさ[ドイツ]

長い冬の終わりが近づき、誰もが待ち望む春の気配を感じ初めるやいなや、待っても望んでもないのにやってくるのが花粉症の季節。ドイツ語で Heuschnupfenと呼ばれる花粉症は、ドイツ人のアレルギー症状の中で最も主流なもので、白樺やポプラ、ブナを含む約20種の花粉がメインのアレルゲンとされている。飛散している花粉の種類が異なるため、 日本では重度の スギ・ヒノキ花粉症患者であった私も、こちらではかなり快適な春を過ごすことができている。

春の訪れ

春の訪れ

さて、そんな花粉症の季節には切っても切れないのが、「鼻水」である。鼻水をテーマにコラムを書くことになるなど夢にも思わなかったが、生活に密接に関わるマナー故、使命感を持って本稿を進めていきたいと思う。

日本人の常識とは言わずとも、一般的な感覚として「鼻水」に対してのアクションは、「①かむ or ②すする」ではないだろうか。しかし、ドイツのみならず、私の知る限り欧米では「①かむ」という選択肢しかない。スープや麺類を音を立てて食べることがマナー違反というのは広く日本でも知られている事と思うが、「音をたてて鼻水をすする」という行為も、ゲップの次、食事で音を立てる事と同じくらい眉をひそめるべき「マナー違反」ととらえる人が多いことはあまり知られていないのではないだろうか。

日本では、人前で鼻をかむことは失礼なこととされている。しかしドイツ人は、所かまわず鼻をかむ。ビシッとスーツで決めた紳士も、電車の中で「シュンッ」と鼻をかむ。若くて小奇麗なOLさんも、時に「ブゥッ!!」と驚くべき音を出して、路上やデスクで鼻をかむ。彼らは鼻をすすってその場をしのぐことがなく、鼻水が出たら、ただ鼻をかむのだ。もしティッシュペーパーが無い時は、ハンカチを使う。そして鼻をかんだ後のハンカチはまたポケットにしまう。マナー云々以前に、それはそれで日本人的には「え!?」という感覚なのだが、こればかりは文化の違いなので仕方ない。

花粉の季節

花粉の季節

ちなみに、ポケットティッシュが日本のように無料配布されることはほぼない。ごくたまに風邪や花粉症のシーズンに、製薬会社のプロモーション用ティッシュが薬局でもらえることもあるが、スーパーやドラッグストアなどで購入するのが一般的だ。そんなこちらのポケットティッシュは日本でいう「食事用の紙ナプキン」のような形状で、一回で使い切るにはもったいないほど厚みがあって丈夫だ。そのため、こちらの人は、一度鼻をかんだティッシュを再度ポケットに入れて繰り返し使う。これまた日本人にとっては「え!?」という感覚だが、ポケットティッシュ事情が異なるため、やはり仕方ない。

また、マスクの着用についても要注意だ。日本の街中でマスクを着用している人を見かけることは、もはや日常的な光景となった。春は花粉をブロックするため、冬は風邪の予防や、他人への感染を防ぐためのマナーとしてマスクを着用することがもはや共通認識となっており、人前でのマスクの着用に違和感を感じる事はなくなった。

しかしここドイツでは、「マスク=仮装用の仮面」と想像する人の方が多いだろうと容易に推測できるくらい、一般的に用いられるものではない。コンビニやキオスクでも手に入る日本と異なり、医療器具として販売場所も限られている。そのため日本の感覚でドイツの街中で気軽にマスクを着用していると、かなりの重症、もしくは奇妙な姿ととらえられてしまう可能性大だ。

海外のポケットティッシュ

海外のポケットティッシュ

ドイツではマスクを用いず、点鼻薬などの薬を用いるのが花粉症対策の主流である。また、風邪は「こじらせる前に休んで治す」という共通認識のもと、マスクを着用するほどの事態になるまで人前に出る事はあまりない。いや、むしろ「病気で人前に出る事」がどちらかといえばマナー違反なのだ。そういえば以前、 マスクは着用していなかったものの、 日本で働いていた時の感覚で体調不良をおして出勤したところ、「そんな体調で来ちゃだめじゃない!」と、若干の物理的な距離を保った(感染を恐れた、とも言う)チームメイト達から次々に声をかけられた経験がある。期待していたわけではないが、労わられるどころか、こんなにも肩身の狭い思いをするとは・・・と、いたたまれない気持ちになったことを覚えている。

このように何気ないしぐさが異国ではマナー違反となったり、母国で見慣れた光景が異国の人には奇妙に映ることが多々ある。そういった場面に出会う機会が増える程、だんだんそれが「正しい・間違っている」という議論は必要でない、と思えてくる。なぜならば、日本では箸を使い、ヨーロッパではナイフとフォークを使って食事をするという事のように「そういうもの」だからだ。まさに、郷にいれば郷にしたがえ。異文化を受け入れ、むしろ違いを楽しむこと、そんな懐を持つことが海外での時間を楽しむ重要な心構えなのではないかとつくづく思う今日この頃である。

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