旬を探しにマルクトへ

旬を探しにマルクトへ

 

旬を探しにマルクトへ

EUによりシームレスになった農作物の流通のおかげで、札幌より北に位置するベルリンのスーパーでも、スペイン、イタリア、フランスなどの近隣諸国で収穫された多種の野菜が一年中手に入るようになった。そうなるとうっかり薄れてしまうのが「旬」という感覚。日本同様、ドイツでも地産地消し旬を楽しむことは、栄養価も高くエコフレンドリーだという認識が高く、インターネットでは旬の野菜カレンダーなどを簡単に見つける事ができる。しかしカレンダーもよいが、EU第2位の農業大国であるドイツ産の旬の食材に出会うなにより楽しい方法は、マルクト(Markt/市場)へ足を運んでみることだ。そこで今回は、マルクトのなかでは規模も大きく地元の買い物客も多く見られる、毎週土曜日開催のコルヴィッツプラッツ(Kollwitzplatz)のマルクトに足を運んでみた。

 

北ドイツの冬といえば

「霜が降りたら収穫開始!」といわれ、特に北ドイツの冬のマスト食材といっても過言ではないのがグリュンコール(Grunkohl)だ。日本ではケールと呼ばれ、青汁の原料といえばピンとくる人も多いのではないのだろうか。キャベツの仲間であるグリュンコールは、北西ヨーロッパを中心に食されており、北ドイツのディットマールシェンという地域はグリュンコールをはじめとするキャベツ類のヨーロッパ最大の栽培地域と言われている。

北ドイツの冬のマスト食材、グリュンコール

北ドイツの冬のマスト食材、グリュンコール

気温が下がることで葉に含まれるでんぷん質が糖に変わって甘みが増すため、冬の到来の早い北西ヨーロッパでは10月頃から楽しむことができる。北ドイツに位置するベルリンも例にもれず、初霜が降りる晩秋にさしかかるとこのグリュンコールが店頭に並び始める。じっくりソテーしたグリュンコールを塩漬けの豚肉やソーセージと一緒に食すのが一般的で、ブレーメンではグリュンコールと一緒に食べる専用のピンケル(Pinkel)というソーセージも存在するほどだ。毎週欠かさずこのコルヴィッツプラッツのマルクトに出店しているソーセージスタンドのサイドディッシュとして、ジャガイモと炒めたグリューンコールが登場するほど、ここ北ドイツではソーセージのお供として欠かすことのできない代表的な冬の食材だ。

グリュンコールのソテー

グリュンコールのソテー

 

マルクトを彩る色とりどりの旬野菜

冬の野菜はケールをはじめとするキャベツ類のほか、日本ではあまり見られないものとしてゴボウのような見た目のシュヴァルツヴーツェル(Schwarzwurzel)、ニンジンに似たパースニップ(Pastinake)、そして真っ黒な皮につつまれたシュヴァルツレティッヒ(Schwarzer Rettich/黒大根)など日本と同様に根菜が多い。そしてひときわ目を引くのが、鮮やかな赤紫が美しいローテビート(Rotebete)だ。日本ではビーツと呼ばれ、ロシア料理のボルシチの赤の決め手となるのもこのローテビートだ。食感は大根に近いが、味は独特の土の香りをもち、サトウダイコンの仲間ゆえ糖度が高く、ほのかな甘みをもつのが特徴だ。ここドイツでは生のままサラダで食べたり、ソテーを肉や魚料理の付け合わせにしたりというだけでなく、ピュレにしたものをチョコレートケーキに混ぜたり、フレッシュジュースに加工したりと食べ方のバリエーションも幅広い。というのも、鮮やかな色素のもつ抗酸化成分や葉酸が豊富で美容と健康によいといわれ、冬の健康野菜として欠かせないからだ。

色鮮やかなローテビート

色鮮やかなローテビート

 

もうひとつの「旬」

このクリスマスの時期に特に活躍するという意味での「旬」の食材と言えば、シナモンをはじめとしたスパイス類だ。凍えるような寒さの中で開催されるクリスマスマルクトには欠かせない、日本でホットワインとも呼ばれるグリューワイン(Gluhwein)は、個人的にこの時期の一番の楽しみだ。普段マルクトでワインの販売をしている店でも、グラスワインに加えグリューワインも立ち飲みで楽しむことができる。オレンジ果実にシナモンやクローブを中心とした様々なスパイスを加え、ワインを穏やかに加熱し香りをつけたもので、スパイスの香りが冷えた体を芯から温めてくれる。

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またクリスマスの4週間前の日曜日から、アドベント(Advent)と呼ばれるクリスマスまでの準備期間がはじまる。ドイツではこの間、各家庭でお菓子やクッキーを焼いたりしながらクリスマスの準備をすすめていくのだ。この時期、少しづつスライスしながら食べるおなじみのシュトレン(Stollen)だけでなく、クリスマスに焼かれるツィムトシュテルン(Zimtstern、Zimt/シナモン、Stern/星)という星型のクッキーや、レープクーヘン(Lebkuchen)というなどの焼菓子類には、多くのスパイスが使われているのが特徴だ。

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「旬」を楽しむということ

以前、友人カップルが自宅でのクリスマスクッキー作りを企画し、私達夫婦を招待してくれた。前述のツィムトシュテルンと、ヴァニラキプフェール(Vanillekipferl、Vanille/バニラ、kipferl/三日月)という、いずれもクリスマスには欠かすことのできない2種のクッキーを作った。普段は食べることが専門の私にとってはとても新鮮な経験だったが、なるほどクリスマスに向けて気持ちを高めるイベントとしてはもってこいだ。冬の上手な過ごし方を知っているドイツの人々にならって、寒いマルクトでグリューワイン片手に食材を探し、家で大切な人達と料理を囲むという「旬」の楽しみ方を今年の冬は徹底的に楽しんでみようか。

 

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