ドイツの美しいアパート

空き家の少ないドイツの引越し事情

 

ドイツでの家探し

ドイツでの家探し

ドイツでは、日本と同様に自分で家を借りるという居住スタイルと同じくらい、WG(ヴェーゲー: Wohnungsgemeinschfの略)と呼ばれるシェアハウスが一般的になっている。シェアハウスといっても、その為に作られたアパートがあるという訳ではなく、単身用アパートというものがほとんど無いため、単に家族用のアパートを皆でシェアして住んでいるというものだ。単身の時に、家具や家電を買い揃えるのはもったいないというドイツ人らしい節約心からか、広く普及している。WGのメリットはそれにとどまらず、既に誰かが契約している所に同居するので、自分で契約を交わす手間がないことだ。留学やワーキングホリデーなどの目的でドイツに短期滞在する日本人にもよく利用される為、インターネットなどでも日本語で比較的多く情報を集める事ができる。しかし長期滞在を前提に自分で家を探して契約する場合、その割合が短期滞在に比べて少ないため、日本語での情報も少ない。そのため、ここでは私の経験をふまえ、自分で家を探し借りる形態にフォーカスして述べていきたい。

WGは引越しもお手軽

WGは引越しもお手軽

 

誰もが頭を抱えるドイツの家探し

日本では「家探し」というと面倒ではあるが、不動産屋のサポートのもと色々な物件を見に行くことができるため、ワクワクする面も多いと思う。しかしここドイツでは、楽しみを遥かに凌ぐ「家探しの三重苦」が伴う。

苦労1:全てドイツ語
苦労2:選ぶのではなく、選ばれる
苦労3:トラブルが起きやすい

これらの項目については、以下で詳しく説明していきたい。

 

1. ドイツ語での家探し

ここはドイツ。ドイツ語での会話がスムーズにできないと大家さんに気に入ってもらえない場合もある。そんなことを全く気にされない場合もあるので、これは完全に大家さん次第である。かくいう私も、ドイツに来た頃は、家探しはおろか、まして契約など到底できるドイツ語は持ち合わせておらず、ドイツ育ちの友人に手伝ってもらって何とか契約することができた。しかしドイツの人でも、こういった契約書を読むのはおっくうだと言っているので、少々ドイツ語が話せるようになっても、このハードルはやはり高い。ドイツ語の勉強だと自分に言い聞かせて、辞書を片手に歯を食いしばって読むしかない。

ドイツ語の契約書

ドイツ語の契約書

 

2. 選ぶのではなく、選ばれる

日本では不動産屋に行けば常に数多くの物件を紹介してもらえる。ドイツではインターネットや新聞に物件情報が載り、内覧会に参加し、そこでその物件を気に入れば申し込み用紙に記入し、自分の過去数ヶ月の給料明細や雇用契約書など所定の書類と一緒に提出する。そして大家さんの審査を受けるのだ。しかし人気エリアの優良物件となると、50人近くもの応募者が殺到することもある。

現住人が内覧させてくれるのもドイツの特徴

現住人が内覧させてくれるのもドイツの特徴

 

3. トラブルが起きやすい

ドイツでは築100年近い物件も普通にあるため、建物や部屋の状態、持ち主の維持・管理に日本では考えられないほど大きなばらつきがある。しかし築年数が古いから悪いというわけでは無く、むしろ古い建物の方が人気があり、その住まいのコンディションは維持・管理の状態による。もし状態が悪い部分がある場合は、入居時に細かく指摘しておかないと、入居後に不具合がでるとその責任を押し付けられかねないのだ。日本ではそこまで目くじらを立てる必要はないと思うが、悪質な大家や管理会社もいるので用心した方が良いだろう。

かくいう私もドイツに来た頃にトラブルを経験した。木製の窓が冬季に閉まりづらくなるという季節性の不具合を、前住人からの引き継ぎの際に管理会社に指摘したのだが、ちょうど不具合が消えた時期だったので強く問題にしなかった。その結果、Protokol(プロトコル)と呼ばれる議事録にそのことが記載されておらず、次の冬に不具合が出てきたときにその旨を管理会社に連絡すると、「あなたがこの冬換気を十分にしなかったせいだ。」といきなり責任を押し付られたのだ。そして引き継ぎの際に口頭で指摘したことを言い返しても、知らぬ存ぜぬの一点張りだ。ここまで露骨な責任の押し付け方は日本ではおそらくないと思う。基本的に私はドイツの人はとても親切だと感じているし、いろいろと助けてもらってここまで生活してきたが、こと不動産業界にはあまり良い印象は持っていない。

木製の古い窓

木製の古い窓

 

空き家を増やさないドイツの政策

そもそも何故ここまで、競争率が激しいのだろうか。それは行政が新築のアパートの建設戸数を、計画的に規制しているからである。これは日本の建設業界に身を置いてきた人間としては、信じられない事である。しかし、その理由は極めて本質的だ。行政は将来人口予測を基に、毎年新たに作る建物の数を計画している。つまり、やみくもに経済原理に任せて新築を作り続けると、将来の人口動態によっては相当の空き家を生み出してしまう可能性があるからだ。そして空き家が増えると過剰供給状態となり、不動産の資産価値は下落し、ひいては街を荒廃させてしまいかねない。

実際に旧東ドイツの諸都市では、人口の減少と空き家率の増加に苦しんだ経験があり、行政はそういった事態を避ける為、住宅の数をコントロールしているのだ。さらにもう少し掘り下げると、行政や政府には、国民の財産を守る義務があるので、むやみに住宅を増やすことで不動産価値を下落させないようにする義務があるのだ。何だかとても堅苦しいが、そこまで言われると、「家探しの三重苦」すらも納得できてしまうのが、ドイツの家探しなのである。

ドイツの美しいアパート

ドイツの美しいアパート

 

 

 

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