クリスマスシーズンになると、世界各地でクリスマスツリーを見かけます。そのクリスマスツリーは、実は南ドイツ発祥ということをご存知でしたか?
古くからゲルマン民族は、お祭りの度に木を装飾して祝ってきました。5月のマイバウムなども、ルーツを同じにするのですが、時が進みキリスト教とゲルマンの風習が混淆し(この辺は日本人も共感する部分です)クリスマスに木を飾り付けるようになりました。15世紀に、スイス国境から40分の黒い森に接する町フライブルグで、パン職人が木に果物やナッツを飾ったのが文献に残る最古のクリスマスツリーです。そして現在の形のツリーは、16世紀のフランス・シュトラスブールの大聖堂で飾られた、もみの木のクリスマスツリーが初めということです。
以上のように、ライン河をはさんだ南ドイツ・バーデン地方とアルザスはいわばクリスマスツリーの本場。クリスマスには生もみの木がないと始まりません。ということで、11月も下旬になると、町の広場やショッピングセンターに臨時の「もみの木市」(独:Weihnachtsbaummarkt , ?仏:Marche de sapin)が開かれるのです。
クリスマスツリーとして売られているのは、基本的にノルドマンタネと呼ばれる枝の茂りの良い小ぶりのもみの木ですが、黒い森でポピュラーな木であるドイツトウヒ(ドイツ松)も店頭に並びます。もみの木のほうが葉の色が少し鮮やかで、枝の広がりが大きいということ以外は見た感じではあまり差は有りません。木の香りの好みくらいでしょうか?
大きさは、50cmくらいのものから200cmくらいまで。100-150cmなど、50cm幅の単位と、枝の付き加減によって、色別のタグで約8段階ほどの値段がつけられています。一番高価なものは、150-200cm、幹の上のほうまで枝があるもので約70ユーロ。背が高くても、枝の茂りが十分でなくスカスカなものは半額以下になってしまいます。ということで、私達がプラスチック製からイメージするレベルの生木を買おうとすると、そこそこの出費を覚悟しなければなりません。
同じ料金カテゴリーの中でも、背丈や木の太さ、枝の茂りは異なるので、吟味しているとかなりの時間がかかってしまいます。このあたりでは、ツリーの飾りつけはクリスマスイブにするのですが、「当たり」もみの木を入手するために早めに購入する家庭が多いのです。私は昨年度、クリスマス近くに購入と出遅れてしまったので、数も少なくハズレな感じの木しか残っていませんでした。なので、今年は11月にすでにマーケットに来ていますが、始まりの頃だけあって本数がかなりありました。
あれやこれやと迷った後に、お目当てのもみの木を決めると、店員さんを呼びます。すると、もみの木を運んでネットをかける装置の中へ。あっという間にもみの木がネットの中に。かなり細かい網目なので、この状態なら車に入れて運んでも葉が落ちることもありません。
家に帰ると、太いワイヤーで固定できるスタンダ-に立て、中に水を入れて終了。せっかくなので、早々に飾りも付けてみました。部屋には常にもみの木の良い香りが。時々水を足すくらいで、お正月くらいまでは十分みずみずしいままの状態を保てます。