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【暮らし・住まい】カンボジアの伝統的な建物「高床式住居」【カンボジア】

 

編集_DSC_3157_1世界遺産、アンコール遺跡群のベース・キャンプとして機能する街、シェムリアップ。

市街地には観光用の瀟洒(しょうしゃ)なホテルが建ち並び、ほとんどの人々は直接、間接的に観光産業に関わっているといえます。

ローカルな人々も、ここではアパートメントに居を構え、ホテルのオーナー宅と思われるとんでもない豪邸を目にすることもあります。

しかしほんの数キロ郊外にゆけば、人々は農業や漁業に従事し、伝統住居に何世代にも渡って住み、昔ながらの暮らしを続けています。

その伝統住居とは、きっとアジアに関心がある人であれば誰でも耳にしたことがある、「高床式住居」です。

 

様々な住居の伝統度
編集_RRA_5302_1カンボジアの高床式住居には、現代的なものから、ほとんど日本の弥生時代の頃と変わらないようなものまで様々です。

現代的なものには、支柱に鉄のワイヤーが入っている鉄筋のもの、板張りで瓦屋根のものなどがあります。お金に余裕がある家は、全体を着色したり、屋根をインドシナの仏教寺院のようにはね上げるなど、様々な意匠を凝らした家も散見することができます。

おそらく、数百年前の家と同じスタイルでは?と、思われる伝統的な住居は、壁も屋根もヤシの干した葉で葺(ふ)いた、完全エコロジカルな家です。

このスタイルも急速に押しよせる近代化の波の中で少数ではありますが、少し郊外に出かければ、まだまだ観ることができます。

そしてこれらに言えることは、現代風であっても、伝統的であってもとにかく床が高い、ということです。

 

意外と快適。高床式住居
編集_DSC_0441_1カンボジアに来た人が初めてこの住居を目にするとき、皆同じ疑問を持つようです。それは「なぜ高床なのか」

理由はいくつかありまして、これがたいへん理にかなっています。

ひとつには、カンボジアではかなり多くの人が農業に従事(特に稲作)しています。現在でも耕作のために水牛や牛を飼っている家がおおく、床下が家畜を飼うスペースになっています。郊外では夕方になると、犬の散歩のようにリードをつけた牛を、草地から連れ戻すために歩いている人々を目にします。

2つめの理由は、暑いから。
伝統度の高い住居に住む人々は、電気も水道もないようなエリアに住んでいます。当然エアコンも(あったとしても冷気が全部、すき間から抜けてしまいます)家によっては扇風機すらありません。

地上より数メートル高いだけで風が抜け、地上の高さにあるよりは、昼間であっても涼しいです。また、床下のスペースは日よけもされ、風もより抜けますので、絶好の避暑スペースになります。休日は、友達を呼んでゴザを敷き、車座になって昼間から宴会をしています。
編集_DSC_0330_1また農具の手入れや、脱穀、やることがないときはハンモックを柱につけて、ひがな、ゆらゆらとしています。少し脱線しますが、ハンモックはゆらゆらとすることで風が作られ、微弱ですが扇風機のような効果が得られます。

3つめの理由は、洪水が多いこと。雨期には平地であっても、あたり一面が洪水状態になるエリアもあります。市街地ではそれなりに治水もしっかりしているのですが、雨期にはアプローチが水没してしまうため、メインの道路から、簡易の橋が架けられる家もみられます。しかし洪水が起きても、高床なら大丈夫。

別の記事でも書きましたが、雨期には地面が完全に水没する村の住居は、地上から9メートルもの高さにあります。これはつまり、雨期のトンレサップ湖の洪水に備えている、と考えることができます。
編集_DSC_2425_1高床式住居がカンボジアの伝統的である、といえる理由の一つに、危険な動物から人々を護るため、というのもあります。あまり知られていませんが、実はカンボジアには野生のトラがいまだどこかに棲息しているといわれています。

現在では森は急速に失われつつあり、住むところを追われ、滅多に遭遇することはありませんが(私見では山間部を除いて、ほぼ絶滅状態だと思います)、少なくとも数十年前には、それなりの個体数がいたと思われます。

弥生時代の「ねずみ返し」のような機能をいまだに備えた家があるか、とカンボジア人の友人に訊いたところ「ネズミが嫌なひとは、ネコを飼います」という回答でした。
編集_RRA_5256_1最後の理由、というか歴史的にどうして高床が普及したかということですが、「地震がないこと」が挙げられると思います。あるとき英語が堪能な友人に、「カンボジアには地震(Earth quake)が起きないか」と訊いたところ、「地震てなんだ?」と逆に訊かれてしまったほど、地震が発生しません。

以前、別の国に2ヶ月ほど滞在してこちらに戻ってきたとき、「家が倒れた」という話しを耳にしました。しかしそれは、小ぶりな竜巻によるものでした。倒壊したのは村の家のうち、ほんの1軒、2軒とのことで、それもおかしな話しです。よくよく話しを聞いてみると、倒れた家は柱を地中にうめず、ただ地面の上に四つの柱を置いただけで建っていたというので驚きました。いかに地震がないかということで、日本では考えられないです。

グローバリゼーションにより、様々な住居形態や外貨が入ってこようとも、特に農業に従事する人々は、いまだに新築の高床式住居を建てています。理由は便利だから。その理由は数百年も普遍的です。

こうした理由から高床式住居を、カンボジア伝統的建物に推したいと思います。

 

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