スペインから始まったという“木の日”は、メキシコでは1959年から毎年6月の第2木曜日に人々に環境保護する必要性があるということを認識させるために祝われています。この日は各地で木々を植えるなどの様々なアクティビティが行われます。
“地球の日”(Dia de La Tierra)
さて、メキシコで“木の日”よりも人々の認識度が高く、より多くの自然保護団体が参加しイベントなどが行われる日が“地球の日”です。スペイン語では “ディア・デ・ティエラ”と呼ばれます。この日は現在では国際的な祝日として多くの国で環境問題に関する集会や活動が行われていますが、始まりは1970年に当時のアメリカの上院議員であったゲイロード・ネルソンが4月22日に環境問題についての討論集会を開催したのがきっかけでした。その日はなんと2000万人以上の人が集会に参加されたようです。その後全世界で4月22日を“地球の日”として地球環境について考える日、環境汚染から地球を守る日として集会が行われるようになってきたそうです。
メキシコシティでの環境汚染に対する奮闘
さて、この日は世界で最も環境汚染の激しい市と言われているメキシコシティでも様々なイベントが行われていますが、2007年からは国際連合の支援を得ながらプラン・ベルデ(Plan Verde)と呼ばれるプロジェクトが始まり、市は環境汚染問題に取り組んでいます。主には空気汚染の改善、交通渋滞の改善、そして絶滅の危機にある動植物の保護です。市はこのプラン・ベルデの1つとして、市民に自転車をより多く使用するように呼びかけ、“エコビシ”(Ecobici)としてレンタルの自転車をメキシコシティのあらゆる場所に設置しました。また、ある程度古い車は1週間に1日使用できないなどの制限も設けています。更には、市内の地下鉄とバスの拡大も計画しており交通渋滞の減少による空気汚染の改善を目指しています。
“フロラ・ファウナ・イ・クルトゥラ”(Flora Fauna y Cultura)
私の住むプラヤ・デル・カルメンには“フロラ・ファウナ・イ・クルトゥラ”と呼ばれる自然保護団体があります。この機関は1年を通して、自然保護に関して私達が参加できる様々なイベントを開催しています。その中にはボランティアとして参加し海辺のごみを拾うイベント、小学校や中学校に木々を植えるイベント、海がめを保護するイベント、また子供達に自然の大切さを教えるイベントなどがあります。
自然が破壊されている深刻な問題
個人、個人ではリサイクルに心がけたり、環境によい製品を使用するよう心がけたり、多くの市民は自然の大切さを認識していると私は思っています。ですが、悲しい事実は私の町では毎日のようにジャングルの木々が倒され、様々な昆虫や小動物が家を失くしていることです。20年前は小さな漁師の町で、どこにいってもジャングルだらけで郵便局さえなかったはずなのに、現在では観光化が進み、ホテルやコンドミニアム、団地などがあちこちに建てられ、その現代化はとまりません。
政府は将来この町がカンクンのようにならないように対策を立てているそうですが、お金で何でも動いてしまうメキシコですので、この現代化はしばらくはとまらないでしょう。この現代化はさらに多くの観光客を呼ぶことにもなるし、さらに多くのメキシコ人に仕事を提供することにもつながり、私達もより便利な生活ができるのは確かです。ですが、もう十分すぎるくらい町にはなんでもあるのに、更に自然を破壊し続ける意味があるのでしょうか。大きなクレーン車や建設現場を見るたびに、すごく嫌な気持ちになり心が痛みますが、今は私は個人として自然保護のためにできるだけのことをすることしかできません。