著者の住むプラヤ・デル・カルメンも11月に入り、
雨が最近多かったことも重なり暑さも少しおさまりました。
ハリケーンの影響を受けやすいこの地域ですが、
この雨のおかげで今年もハリケーンの被害にあわずに済みそうです。
日本ではクリスマスはカップルのためのイベントのように言われていますが、
多くの欧米諸国ではクリスマスは1年で最も重要な行事であり、
日本のお正月のように家族が皆集まり家族と一緒に過ごす大切な日です。
特に、国民の大半がカトリック教徒のメキシコではクリスマスは伝統的で家族のための日になります。
クリスマス・イブの食事
イブの食事は家族皆が集まりテーブルを囲みます。
ローストチキンやローストターキーを作る家庭もあれば、
ローストポークを作る家庭もありますが、
メキシコのクリスマスの日に特別に食べられる伝統的な料理があります。
その1つが「バカラオ」と呼ばれる魚料理です。
このバカラオ、実はスペインの侵略時にスペイン人が持ってきた伝統なんです。
塩漬けされていて乾燥しているから、そのままでは食べられずまずは塩けを取るために水にしばらく浸しておかなければなりません。
塩けが抜けたら通常はポテトやトマトと一緒に料理します。
日本のお正月のように、どの家庭もクリスマスのために沢山の食事を作り、
2、3日は同じものを食べるので一年中お休みのないお母さんも、
クリスマス期間中は少しだけゆっくりできます。
ちなみに、著者の家族ララサバル家では著者の主人の母親がベジタリアンなため、
毎年メインディッシュを2つ作ります。
1つはベジタリアンラザニア。お肉の代わりにほうれん草とリコッタチーズを使って作ります。
もう1つはローストポーク、またはローストビーフ。
飽きないように毎年違うソースを作っています。
食事の後は
さて、食事の後はパーティー好きのメキシコ人ですから朝まで家族でワイワイと過ごします。
音楽をかけて踊ったり、歌を歌ったりお話しをしたりして過ごしますが、
著者の家では一度朝の5時まで皆起きていたことがありました。
主人に言わせるとそんなのはメキシコ人だったら普通だそうです。
メキシコ人にとってクリスマスに家族と一緒にいられるのはとても幸せなことで、
その日は本当に特別な日になります。
ですが、仕事などの何らかの事情でクリスマスを家族一緒に過ごせない人もいます。
得に著者の住むプラヤ・デル・カルメンは多くの若者が仕事を見つけに来る町ですので、
クリスマスに家族と一緒に過ごせない単身者は多くいます。
プラヤは12月、1月がハイシーズンとなり観光業で仕事をしていれば
1年で最も忙しい時期になりますので、彼らのほとんどは仕事をしているはずです。
それでも仕事の後は友達同士で集まってパーティーをするようです。
通常社会人になっても離れている家族とはまめに連絡をとるメキシコ人ですから
もちろんこの日も家族への電話はかかしません。
クリスマスの向けての準備
11月のメキシコの「死者の日」が終わったら、
メキシコ人の気持ちはすぐにクリスマスに向かいます。
スーパーでは11月の1週目からすでに、クリスマスグッツが売られ始め、
デパートでは大きなクリスマスツリーを出しクリスマスの飾りつけを付け始めます。
おうちをクリスマスのリースやサンタ、
またはイルミネーションで飾りつけしたりするのも11月からです。
このころから、今年はどんな料理を作ろうかとか誰が家に集まるか、
誰を家に招待するか、子供達のプレゼントは何がいいかなどと
クリスマスの話題が家族の間で出始めます。
クリスマスといえばスノーマンやホワイトクリスマスなどと、
通常は寒い時期のイベントなので、カリブ海での真夏のクリスマス?
というのは著者にとって未だに何となくしっくりこないのですが、
それでも町のあちこちで見られる巨大なクリスマスツリーを見てると、
またこの時期がきたなと懐かしいような、なんだか優しい気持ちになるものです。