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ポーランドの医療事情

 

編集_image002_1ポーランドでは毎月健康保険料を納めていれば、国立病院代は基本無料です。薬は種類によって負担率が変わり、大体10%ぐらいから全額負担の100%まで。医者へのかかり方は、最初に近所の登録した家庭医の診療所に行き、そこで必要な場合は専門医を紹介してくれます。無料だし、家庭医まで持てるなんてすばらしい医療事情だと思われるかもしれません。しかし実際に利用しなければ分からない問題が色々とあるのです。

 

診察券がなく名前も呼ばれない診療所

例えばひどい風邪になり、朝一番で電話をすると何とか当日予約がとれますが、電話が繋がらなかったり、少し遅れて電話をすると当日は無理で、翌日また電話予約しなければなりません。(NFZは国民健康基金の略です。)

編集_01_1なんとか予約が取れ、時間も指定されたので診療所の待合室へ行くとすでに8名程の人が待っています。皆さん近くに住んでいて予約時間があるのになぜ8名も?との疑問が残る中、様子を見ることに。1人の患者が病室から出ると、次の人が勝手に入る感じで、診察室の中から名前を呼ばれることはありません。そのため、待合室へ着いたら最初にすることは、誰が最後なのか声を掛け確認することです。ポーランド語が出来ないとこの確認作業が難しく、受診までも危うくなってきます。この他、待っている人たちに予約時間を確認する方法もありますが、実際の予約時間よりも1時間も前に来ている人もいて、いくら自分の方が予約時間が先であっても、1時間前から待っていると言われ押し切られるのであまり意味がありません。

編集_02_1診察の方はていねいです。大体1人15分かけて診てくれます。話好きな患者が相手だと30分になることも。受診して意外だったのは室内には医者1人だけで看護師がいないことです。日本では医者一人に対して2人ぐらいの看護師がいたように記憶していたので驚きました。

 

処方箋薬をあまり置いていない薬局?!

診察が終わると、受付も支払いもないため、そのまま診療所を出ます。処方箋を貰った場合は帰り道の薬局で薬を購入することになりますが、ここでまた問題が。特別珍しい薬とは思えないのに1軒目の薬局で、大体無いと言われます。2軒目も同じ。そして3軒目でも無いと言われるので、粘って取り寄せしてもらい、翌日受け取りとなるのがいつものパターンです。薬局では在庫を少なくするため処方箋薬をなるべく置かないようにしているのかと考えられます。

編集_03_1最近では顔を覚えてもらうため、処方箋以外の物でも、なるべく同じ薬局で買うようにして、薬がない場合粘ることなくすぐに取り寄せてもらえるように努力しています。

家庭医では手に負えないと判断されると、専門医を紹介されます。その場合、専門医の予約をしますが、これが大体4ヶ月以上先になります。4ヶ月待てる症状ならいいですが、多くの場合は待てないと思います。そこで登場するのが私立病院です。

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ポーランドの私立病院

ポーランドの私立病院はこの数年で急増しています。一般のポーランド人は無料で慣れているため私立の診療費は高く感じますが、他の西ヨーロッパ諸国に比べると安いらしく、しかも医療技術が高いと評判で医療滞在を目的とした外国人も多いと聞きます。特に美容と歯科分野が人気のようです。また受付や受診など英語が通じるのが私立病院の魅力でしょう。

さて、国立病院だと4ヶ月先しか予約が取れないため、私立に問い合わせると当日診療が可能です。その場で予約してすぐに向かいます。中心地の私立病院はショッピングモールやオフィスビルの中、また新しいマンションの1-2階部分にあって利用しやすいです。郊外だと建物全部が私立病院ということもあり、入院設備が充実しています。そんな私立病院は受付からして清潔で高級感があります。

編集_05_1最初に診療代を払い、医者の判断で検査が必要な場合はもう一度代金を払ってからの検査となり、お金に余裕をもっておかないとヒヤヒヤすることになります。通常、初回は検査をすると思うので大体300ズロチ(約10,000円)はみておいた方がいいでしょう。薬が必要となれば尚更です。国民健康保険を払っている人は私立でも処方箋薬の割引が利くのが救いです。

私立病院の診療は国立病院同様、一人15分ぐらいで丁寧に診て貰えますが、ここでも看護師はいません。どうやら医者一人で仕事をするのが、ポーランドのスタンダードのようです。私立は患者が少ないため、待合室の人はまばらです。廊下には絵や写真が飾られてあり、所々にミネラルウォーターやキャラメルなどが置かれ、待ち時間は快適です。また自分の番をしっかり見ておかないと他の人に抜かされる可能性がある国立と違い、私立は予約時間になれば確実に診てもらえるので本を読みながらでも待っていられます。

編集_06_1救急車にも国立と私立があります。普通に呼び出すのは国立の救急車で無料ですが、ポーランド語での説明が求められます。そのため英語での呼び出しや、病状説明などができるのは特定の私立病院の救急車となり有料です。

 

国立と私立を掛け持ちする医者

専門医受診がどうして数ヶ月待ちなのか疑問でしたが、これは医者の働き方やシステムに原因があるようです。国立病院の医者は毎日国立病院に勤めている訳ではなく、週に2日程度、しかも午前か午後のどちらかだけ診療し、他の日は私立病院で働いています。そのため、私立病院でも同じ医者が毎日いる訳ではないですが、有料の私立は患者数が少なく、また患者側からすると当日、目的の診療科が開いている私立病院をいくつか探せば済みます。しかし国立病院の専門医だと家庭医から紹介された病院でしか受けることが出来ません。

編集_07_1また勤め人がいざ病気になり国立病院へ行きたくても、朝予約を取るために電話をかけ続けることは難しく、結局有料の私立病院で診療を受けることになります。

医療システム矛盾の極めつけは、無料のはずの国立でも、待ちの期間を短くするために、お金を払うとすぐに治療や検査、手術が受けられる場合があることです。これは医療機関の方から提案してくるのです。このお金は一体どこに行くのか不明です。

編集_08_1「健康は財産」という言葉をしみじみ感じる今日この頃です。

 

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