FARMACIAはスペイン語で薬局の意味。目印は緑十字。

いいのか悪いのか、無料の医療制度 ~スペイン医療事情

 

Photo01_1国籍に関わらず、スペインに合法的に居住していれば、薬代以外の医療費は一切無料!これは紛れもない事実です。もちろん、働いている人は所得に応じて社会保険料を納めているんですけどね。但し、これは公立の医療施設を使った場合の話。スペインには公立と私立の医療施設が存在するのです。

 

タダの代わりに選べず待たされる公立医療

スペインの各地域に公立の診療所(ambulatorioやcentro de saludと呼ばれる)があり、公立医療(Seguridad Social)の対象者、すなわち居住者全員に最寄りの診療所のホームドクターが割り当てられます。どんな症状でも、まずはここに予約を入れることからスタート。急を要する場合だけは、予約なしで診療所や総合病院の救急に行くことになります。完全分業なので、ホームドクターは簡単な診察しかしません。よって、診察室にはほとんど医療器具がないほか看護師もおらず、一見普通のオフィスのようです(予防注射や怪我の治療は、またほかの部屋を使用)。ホームドクターでは対処できない専門的な症状だと、紹介状を書いてもらって総合病院の専門医にかかることになります。はい、また予約からスタート。内容によっては、数ヶ月待ちだというので驚きです。ホームドクターに子宮ガン検診を受けたいと相談したアラフィフ友人は、紹介状を持って病院に行き3ヶ月後の予約日をもらったものの、たまたまその日は生理にあたり、また数ヶ月待ってやっと検診を受けられたそうです。自覚症状のないガンだったら進行してしまいますね・・・。また、明らかに専門医の範疇だとわかっていても、ホームドクターを経由しないといけない点もデメリット。有料でも、病院や医師を自分で選べる日本のシステムがなつかしくなることもしばしば。

とある町の公立診療所

とある町の公立診療所

公立診療所の小児科コーナー

公立診療所の小児科コーナー

公立診療所の小児科診察室

公立診療所の小児科診察室

 

公立なら出産費用は一切無料!

診察の結果、薬が必要な場合は処方箋を持って薬局で購入しますが、公立医療だと薬代も安く買えるシステムです。公立医療のメリットは、やはり経済的な点でしょう。日本でかかったら高額医療になるものでも無料なのは、ありがたいことです。もちろん出産も一切無料な上、入院中のパジャマや新生児の衣類、オムツまで支給されるとか。但し、異常のない妊娠の場合、エコグラフィーは3回しかないそうです。私は妊娠した時に公立と私立両方に行って比較し、妊娠中の検診から出産までずっと同じ産婦人科医が担当してくれる点で後者を選びました。公立だと毎回かかる先が変わるので、別の医者になってしまうのです。その代わり、毎月公立の助産婦の問診を受け、母親学級のお世話にもなりました。日本だと出産費は自費ですが一時金が出るので、そう考えるとスペイン同様出産費無料と同じようなものですね。なお、公立の歯科は抜歯しかしてくれません。よって必然的に私立にかかることになります。

町中にある私立の歯科医院

町中にある私立の歯科医院

 

お金はかかるが、選べて待たされない私立医療

さて、その私立はどんなものなのか。私立の医療機関だと、かかった費用は100%請求されます。高いです。そのため、民間の医療保険が存在し、毎月保険金を掛ける代わりに、毎回の医療費が無料、もしくは数百円で済むというシステムがあります。保険に加入するとその保険会社と提携している医療機関リストがもらえるので、そこからかかりたいところに予約を入れます。公務員気質でやる気を感じられない公立医がいる代わりに、私立の医師は評判が商売に影響するので対応がいいです。また、公立と比べて予約が取りやすく、施設も比較的新しくてきれい、医療機関や医師を選べる点がメリットになりますが、私のように田舎町に住んでいると提携医療機関がほとんどなかったり、あっても提携医師の診察が週1回や2回というケースもあるので、便利とは言えません(そのため我が家は現在公立一本です)。それに、最新の医療設備が整っているのは、やっぱり大きな公立の総合病院なのです。

FARMACIAはスペイン語で薬局の意味。目印は緑十字。

FARMACIAはスペイン語で薬局の意味。目印は緑十字。

 

保険加入は海外旅行の必須事項

話はそれますが、日本と違うなーと思う点は1人で来る患者が少ないこと。子供の付き添いに大人が2人も3人も来ていたり、そんなに具合が悪そうでもない大の大人が付き添いと一緒だったり。待合室が混んでいて子供を抱いたまま立って待ったことがある私から見ると、ちょっと迷惑。でも、とてもスペインらしいです。

さて、スペインを訪れる旅行者、留学生、出張者の場合、公立医療の対象にはならないので、私立の医療機関にかかることになります。先ほど触れたように、これは100%なので、診察と検査だけで数万円、手術をしたら100万単位の請求になりかねません。ここで活躍するのが海外旅行保険。私は日本の海外旅行保険会社の依頼でお客様を病院にアテンドすることがありますが、皆さん無料で診てもらっています。海外に行く際には、必ず加入しましょうね!

 

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