スイスの中央に位置するルツェルン湖ですが、そのわきにそびえる1800mの山「リギ山」は古くから「山の女王」と呼ばれ親しまれてきました。1873年には岩倉使節団の訪れたという由緒のある山の1つです。そんなリギ山にはヴィッツナウからヨーロッパ最古の登山鉄道で登るのが一般的で、一年を通して観光客でにぎわっています。
しかし、今回はそんなリギ山の麓の街ヴィッツナウにある、個人経営の小さなケーブルカーをご紹介します。観光客は登山鉄道に乗ってしまうので、地元の人しかほとんど利用しないケーブルカーなので、ローカルな魅力を味わうことができますよ。
スイス人に交じって、気持ちのいいひと時を
小さなケーブルカーはローカル感満点!
リギ山の麓のまちヴィッツナウには、ルツェルンから遊覧船に乗っていくことができます。もちろん、遊覧船乗り場の目の前の、登山鉄道駅から登山鉄道でリギ山に登るのも素敵ですが、地元のスイス人は、登山鉄道ではなく、近くのケーブルカーを楽しみます。
船着場から15分ほど歩いたところにある、WISSIFLUHというゴンドラステーションから乗り込みます。このゴンドラは、リギ山ではなく周りの山々の中腹へつながっていて、ホテルが所有している個人経営のケーブルカーです。青を黄色の建物が見えたら、中に入り、備え付けの電話でホテルに連絡すると、人のいいオーナー夫妻が「ゴンドラに乗ってドアを閉めてください」といってくれるので、ゴンドラに乗り込みベルを押して、準備ができたことを伝えます。
すると、見る見るうちに急斜面を登り、あっという間に山の中腹へ。オーナーさんは英語でゆっくり話してくれるので、ゆっくり話せば、コミュニケーションもとれるはずです。ゴンドラに乗り込む際には、安全のためにしっかりドアの鍵を確認にしてから、出発のベルを鳴らすようにしましょう。登り終えたら、外のドアがすべて開いたのを確認してから、ゴンドラのドアを開け、下車します。安全のために、慌てず外のドアが開くのを待ちましょう。
絶景スポットでコーヒータイム
ゴンドラの駅から、5分ほど歩くと、スイスの伝統的なホテルが見えてきます。テラスから眺めは最高で、外でコーヒーやお茶、お酒を楽しむことができます。食事をしたい場合は、先に電話をして予約をする必要があります。こちらのホテルが、ケーブルカーを運用しているので、お会計の際にケーブルカーの代金も一緒に支払うことをお忘れなく。
「WISSIFLUH」ウェブサイト
http://www.wissifluh.ch/
下山は徒歩でハイキングがおすすめ
もちろん、ケーブルカーで下山することもできますが、ホテルからヴィッツナウまで歩くと、1時間半から2時間ほどの道のりです。なだらかな道のりなので、体への負担にもなりにくいですし、気持ちのいい野原を感じたり、牛のカウベルを聞いたりしながら、湖を眺めて歩くと気持ちがいいものです。ホテルからの下山ルートは何通りかあるので、黄色い標識の「Vitznau」という表示の横の時間をチェックして、お好みのルートを選びましょう。
ハイキングコースには、農家が点在していて、手作りジャム、はちみつ、パスタ、ハーブソルトなど、様々なものを販売しています。料金箱にコインを入れて、お好みのものを買うのも楽しみの1つです。
観光地じゃないローカルなスイスを
スイスは観光大国なので、観光客に合わせたサービスが盛りだくさんです。そういったサービスでももちろん十分楽しめるのですが、アジア人観光客が多いため、団体の中に混ざってしまうと、どこの国にいるのだかわからなくなってしまうということもあるかもしれません。そこで、少し観光ルートから外れて、スイスのローカルな人が楽しむスポットを巡ってみてはいかがでしょうか? 海外旅行、この夏のオススメ、ローカルスイスを巡る旅で、観光疲れをしない、癒しの旅を堪能してくださいね。