スイス春の風物詩

スイスの春の風物詩「ベアラウホ摘み」[スイス-バーゼル]

 

今年はすこぶる暖冬だったこともあり、例年よりも早く暖かくなりました。4月の初旬には、花々も次々と咲き、枯れ木にもあっという間に新緑の葉が。いつもよりも1ヶ月くらい季節を先取りした感がします。

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春の訪れと共に、こちらの人々はウォーキングを再開します。ドイツ人やスイス人の散歩好きは国民病と言えるほどで、天気の良い週末などは森の中やライン河沿いは歩く人々で賑わいます。「少し散歩」というのに付いていくと、2-3時間のこともあるので、最初はかなり驚きました。しかし、自然豊かな地域を散策するのはとても楽しく、初夏にはベリー類、秋にはキノコなど道すがらに採ることが出来るのも醍醐味の一つ。おかげで、食べられる木の実やキノコを見分けられるようになりました。

2森の中_1

4月に入ると、人々は大きな袋を提げて森の中を散歩しています。彼らの目的は、森の中に生えている野生のベアラウホです。ベアラウホ(ドイツ語:Barlauch 熊のネギ)はネギの近縁種の植物で、スズランに似た葉の形をした春野菜。特徴的なのは、そのニラのような香りです。花が咲く前の葉が柔らかいうちに食用に摘み取ります。日本ではラムソンと呼ばれているようですが、イメージとして高級食材である行者ニンニクを想像してみてください。

日当たりの良いところではなく、うっそうと木々が茂った森の中にところ狭しに生えています。正直、人に教えてもらうまでは貴重な食材とは気が付かずに素通りしてしまう植物でした。

3花摘み_1

15cmほどの葉はとても柔らかく、生のままサラダで食べても十分美味しいのですが、一般的には大量に摘んできてオリーブオイルに付けてペーストにします。このペーストは、大鍋で一気に作り瓶詰めにして保存し、1年を通してパンに塗ったりパスタに絡めたりして使います。スイスでは、トムTommeというカマンベールに似た柔らかいチーズにベアラウホを織り込んだものも季節限定で登場し人気を集めています。野菜というよりも、ハーブの感覚でしょうね。この時期のレストランのメニューや、ドイツ語の雑誌の特集でもベアラウホは頻繁に登場します。その中で紹介されていたスープを実際に作ってみたので、レシピを紹介します。

スイス春の風物詩

Barlauchsuppe
100g ベアラウホ
1個 ジャガイモ
1個 たまねぎ
1000ml ブイヨン
50ml 生クリーム
50g バター
塩、胡椒

細かく刻んだ食材をブイヨンで煮て、ミキサーで混ぜ、その後クリームとバターを加えて出来上がりというシンプルなもの。ほんのりとニラのような香りがする優しい味です。バーゼルや黒い森のレストランで春のメニューにあるスープは、このべアラウホと白アスパラガスが定番です。

編集_5スープ_1

こちらの人がハーブとして利用するベアラウホですが、私達日本人はしっかり「野菜」感覚で使っています。ニラの代用品として大活躍。この辺りでは、ニラはごく限られたアジア食材店でしか扱っておらず、1束3-400円と大変高額なのです。なので、ベアラウホの季節にはここぞとばかりに収穫し、ニラの代替品として料理に使います。定番の餃子から、ニラ玉やチヂミなど贅沢に使います。同じくニラを多用する他のアジア人とも収穫地の情報交換やレシピを教えあったりもして話も弾みます。

このように、ドイツやバーゼルでは大人気のベアラウホですが、面白いことに川を挟んだここフランスのアルザスでは全く知名度もなく、ベアラウホ(フランス語:L’Ail des ours 熊のニンニク)を集めに森へ行く人も見かけません。地形的な関係で生息していないのか、フランス人はドイツやスイス人に比べて散歩をしないからか、理由は謎です。なので、私ももっぱらスイスまで採集に出かけています。

スイス・バーゼルから簡単に行けるところでは、バーゼル駅の裏をトラム15番で上がったブルーダーホルツの丘の上の森にびっしりと生えているので、春のバーゼルを訪れた際には是非散策してみてください。自家製野菜やお肉を販売している農場や、自分で摘める無人花売り場などもあり、町まですぐの場所とは思えない牧歌的な風景画楽しめますよ。

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