その昔、遺体安置所として使われていた「Snug Area」

「嘘みたいな本当の話」 [ イギリス ]

 

イギリスのパブにまつわる幽霊の話

 

―幽霊の映像―

パブにまつわる幽霊話はよく聞く。最近ニュースにまでなったものでは、イギリスでも古いパブの一つであるイングランド西北部・ランカシャーにある、” Ye Olde Man and Scythe “ (6-8 Churchgate, Bolton, Lancashire BL1 1HL) の幽霊映像が記憶に新しい。それは2014年2月14日(金曜日)バレンタインデーの早朝にCCTVに捉えられていた。午前6時18分に録画が停止されているのを不審に思ったマネージャーが、その直前の映像に幽霊らしき姿 [1] が映っているのを発見したのである。

このパブはイギリスで4番目に古いもので、歴史はさかのぼること1251年。イングランド王国の政治家、第7代目ダービー伯爵ジェームス・スタンリーが1651年10月15日に打ち首になる前の数時間をすごしたところであるという。彼が最期まで座っていた椅子は、今でもパブに残っている。また1644年のボルトン大虐殺もこのパブの前でおこり、大勢の戦士や市民が命を落としている。

2010年9月16日には、イングランド北西端のカンブリアにある、” The Wolfe “ (7 Little Dockray, Penrith, Cumbria CA11 7HL) で、CCTVにアメリカのテレビアニメでおなじみの「出てこいキャスパー? (Casper the Friendly Ghost) 」のような浮遊する白い影 [2] が映っている。この建物は、昔「斎場 (Funeral parlour) 」として使われていた。

The Windmill, 69 Upper North Street, Brighton, BN1 3FL   01273 202475

The Windmill, 69 Upper North Street, Brighton, BN1 3FL 01273 202475

 

[1] http://www.manchestereveningnews.co.uk/news/greater-manchester-news/video-ghost-been-caught-camera-6717451

[2] http://www.liveleak.com/view?i=c82_1284482824

 

―すべては幽霊の仕業?―

私の働いているブライトンのパブ「ウィンド・ミル」にも、幽霊が出るとの噂がある。このパブが農場主の家として建てられたのは1820年代後半、いまから約190年前のこと。その後食料供給を含めて幅広く事業展開したという記録が残っているのは、1892年以降である。

バーカウンター後部に位置する現在「Snug 」と呼ばれているエリアは、この建物で一番涼しい場所だったため、元々はセラー(貯酒所)として使われていた。しかしそれ以前はなんと、検死及び検死官裁判所と併用して、遺体安置所として市に貸し出されていたという。

その昔、遺体安置所として使われていた「Snug Area」

その昔、遺体安置所として使われていた「Snug Area」

 

実際にこの建物にまつわる、奇妙な現象が明るみに出始めたのは1980年頃である。多数のビールグラスが撃ち抜かれて床に散乱していたり、犬が突然不気味な声と共に半狂乱に走り回ったり、3階の居住スペースの家具があちこちに動かされ、壁のオーナメントがベッドの上に投げ出されていたりといった、怪奇現象があったという。

5年前まで一緒に働いていた75歳のブライアンは、実際にその怪奇現象を体験した一人だ。彼は以前、この建物に一人で住んでいた。ある日の夜中2時頃、彼がトイレに立った数分の間に、部屋の家具が無造作に動かされ、本棚の本が床に散乱していたという。また早朝に一人でパブの掃除をしていると、誰もいない筈なのに、妙な人の気配を感じることが何度もあったという。その他、この同じ部屋に住んでいたスタッフからも、何度か同じような怪奇現象があったと報告をうけている。

怪奇現象の経験のあるブライアン

怪奇現象の経験のあるブライアン

 

私も週に1度、早朝出勤がある。誰もいない、電気もついていない暗いパブ店内に一人ではいっていくのは、正直勇気がいる。しかし私は、野生動物的な感覚はあるものの、「霊感」というものが全くないらしく、今までこのパブ内で霊気というものを感じたことがない。

早朝・誰もいないパブ店内

早朝・誰もいないパブ店内

 

もともとは、検死された遺体が安置されていた建物、亡くなった方々の中には当然、怨みを抱えながらあの世に旅立った方もいたはず。その魂がこの場所に浮遊していたとしても不思議ではない。もしこれらの怪奇現象が、本当に恨みを持っている幽霊の仕業であるのなら、早く成仏というか、天国で安らかにねむっていただきたいものである。

 

 

―幽霊は存在するか、しないか?精霊か?―

イギリスでは、幽霊の存在に関しては否定的な意見が多い。心理学者によれば、幽霊に見えてしまうのは、精神的なものが影響しているという[3]。よって幽霊の存在を信じていない人から見れば、これらのパブの幽霊話は、その店の客寄せ宣伝のためだと思われている。そこでウィンドミルパブのレギュラー客50人に幽霊の存在を信じるかどうかを尋ねてみた。4割はその存在を信じているが、6割が信じていないとの結果がでた。また信じている人の半数以上は、幽霊というより、それは精霊(Spirit)、キリスト教神学における聖霊 (Spiritual) 的なものではないかと答えた。

私自身、昔は金縛りにあったこともあるし、亡くなった祖父母がいつも私を守ってくれているように感じている。しかし私も、幽霊の存在よりも、山川・草木に宿る神霊である「精霊」の方を信じている。樹齢の長い木には、何百年もの間、人類の過酷な歴史と共に生きてきた「精霊の力」のようなものが宿っているように感じる。それはネガティブなものではなく、ポジティブなパワー。大地の清水(せいすい)で、過去の悲しみをも浄化しているような、神聖な大木(たいぼく)。ものを語らないそれらの木に、そっと手をあて「自然のエネルギー」をもらう…。ちょっと疲れた時に実行する、私なりのヒーリング治療である。

樹齢の長い木とブルーベルの森

樹齢の長い木とブルーベルの森

 

[3] http://news.bbc.co.uk/1/hi/talking_point/3046389.stm

 

―幽霊巡りツアー―

ちなみにロンドンでもブライトンでも、幽霊が出るスポットをガイド付きで巡ることができるツアーがある。もしご興味があれば、それに参加するのも面白いのではないかと思う。ブライトンでは「Ghost Walk ? of The Lanes」というツアーが火曜から土曜日毎日夜7:30から8月いっぱい参加可能である。費用は大人ひとり£8~。詳細はwww.ghostwalkbrighton.co.uk参照のこと。

Ghost Walkの案内人(上段・中央の黒いシルクハットの紳士)

Ghost Walkの案内人(上段・中央の黒いシルクハットの紳士)

 

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