パブの富くじ・スイープステイクス_1

「ワールドカップの海外反応」 [ イギリス ]

 

FIFAワールドカップ熱が冷めない訳

日本もイギリスも、グループステージで敗退し、すっかりワールドカップ熱は冷めてしまったようである…と思いきや、パブでは決勝戦まで、ワールドカップの試合がスクリーンに映し出され、エール片手に観戦する姿をよく目にした。準々決勝の試合は、英国時間の午後5時から第一試合、午後9時から第二試合が放映されたのだが、パブでは特に賑やかになる時間であり、一方ではフットボール観戦(イギリスではサッカーといわない) 、他方では友人たちとワイワイ世間話をする人たちで、いつも以上に賑わっていた。

 

パブで準々決勝を応援する人たち

パブで準々決勝を応援する人たち

 

決勝戦ドイツ対アルゼンチン戦、この試合を誰よりも熱心にアルゼンチンを応援しているイギリス人男性がパブにいた。なぜそんなに熱中しているか尋ねると、彼は会社のスイープステイクス(Sweepstakes)でアルゼンチンチームを引いたからであるという。

 

スイープステイクス

このスイープステイクスとは、大きなスポーツイベント開催時に行われる「富くじ」のことで、抽選によってクジ購入者が賞金を得る賭け事のことである。オフィスの仲間同士や大抵のスポーツパブで、この「スポーツ賭け事」が行われる。イギリス人の賭け事好きは世界でも有名であるが、この賭け事の賞品が結構面白い。

 

パブの富くじ・スイープステイクス_1

パブの富くじ・スイープステイクス

 

例えば夫がよく通うパブ。富くじ参加費はひとり£5であったその賞金は、ドイツチームを引いた人は一等£100、アルゼンチン・二等£50、オランダ・三等£15となった。賞金だけではなく、賞品が授与されることもある。最下位で終わったホンジュラスを引いてしまった私の夫は、ブービー賞として5パイント分のビール券(£18相当)を手にした。「最下位なのに三等賞以上の賞品だ!」ととても喜んでいた。

また3年前の4月に行われた競馬障害競走「グランド・ナショナル」のパブ富くじ(参加費£1)で、なんと私は一等£20、そして夫は 二等£15を当てたことがある。その時のブービー賞は、確かサンデーローストのペア券だったと思う。またどこのパブの賞品だったか忘れてしまったが、ビールのサーバー権(ビールをグラスに注ぐ作業の権利)なんてものもあったと聞く。

パブによってその賞品も様々であるが、こんな風にレギュラー客を最後まで楽しませてくれる富くじは、イギリスの大きなスポーツイベントには欠かすことができない。ちなみに、その時獲得したその賞金は、私の「バイイング・アラウンド」 ですべて消えてしまった。

 

バイイング・アラウンド

すこしテーマとは外れてしまうが、このバイイング・アラウンドという習慣は、パブでイギリス人と社交を楽しむうえで是非知っておいてほしいので、少し説明したい。

これは大勢のグループで飲みに行った場合、1杯目はA氏が全員分、2杯目は交代でB嬢が全員分と、順番に飲み物を人数分まとめて買う注文法のことである。これは男性だけの習慣ではなく、女性も同様で、「飲み物は男性が払うべき」なんて無視しているとイギリスでは常識を疑われ、確実に友達は減っていく。要するにこの行動をするだけで、簡単にイギリス・パブ社会の一員になれる、ということでもある。

 

ホーム・パーティー

今回のワールドカップでは、初戦イギリス対イタリア(英国時間・午後11時)のあとに日本対コートジボワール戦(午前2時)が行われるということで、当日はワールドカップ観戦ホーム・パーティーを開いた。パーティーは夜8時開始、12人の招待客はみなゲームを楽しみにしており、その話題でもちきりである。試合開始までの3時間、みな陽気に喋り、よく飲み、よく食べた。ところが試合が始まると、男性陣の行動が一変する。

 

日本食パーティー

日本食パーティー

 

それまでの社交的な会話は途絶え、試合に全身全霊をささげるように、ゲームを観戦する。表情は真剣そのものである。彼らのリアクションも凄い。フォワードのダニエル・スタリッジがゴールを決めれば、ジャンプしながら嬉々として部屋中を走り回り、ウェイン・ルーニーがシュートを外せば、ソファーに突っ伏し、ひどく落胆する。普段は穏やかな英国紳士達が、少年のように一喜一憂する姿は、何とも微笑ましい。よくここまで熱中できるものだと、素直に羨ましく思った。

 

イギリス初戦を応援中!

イギリス初戦を応援中!

 

因みにその後、夜中の2時からの日本戦を一緒に応援してくれたのは、そのうちの半数6人であった。ゲスト達は、「あまりにもエキサイトしたために、エネルギーを使い果たしてしまった」とのこと…納得である。

 

日本人サポーターを世界は絶賛!

日本人の「礼儀正しさ」はイギリスでもよく話題になる。あの悲惨な東日本大震災の時、被災した人たちが助け合い、暴動になることもなく辛抱強く順番を待つ姿や、流された金庫が盗まれず持ち主に戻されたことなど、海外で美談として扱われたことも記憶に新しい。

日本人の「他人を思いやる心」に、海外の人は敬意を表する。このワールドカップでもそうだった。日本は初戦に敗れたにもかかわらず、その試合後、日本人サポーターが、競技場座席のごみを拾って帰るこの姿がこちらの新聞でも称賛して取り上げられた[1]。私は同じ日本人として、本当に誇らしかった。そしてこのようなニュースを見るたびに思う。日本人特有のこの行動を、後世にも是非受け継いでいきたいものだと。

 

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