あと一ヶ月もするとボストン近郊では夏休みに突入します。日本でもあと約二ヶ月で子供達の夏休みが始まると思います。夏休みに海外旅行をされる方も多いと思いますが、夏の旅行と言えばやはりビーチリゾートが人気です。日本からビーチを楽しみに行くとなるとやはりハワイやグアムなど南の島が人気なのではないでしょうか?ボストン周辺にもビーチリゾートはありあますが、海やマリンスポーツを楽しむというよりは避暑地として来られる方が多い印象です。ボストンを含め、ニューイングランド地方は緑豊かなところが特徴的なので、今回は旅行中、ボストン近辺で自然を楽しめるスポットをご紹介したいと思います。
都会の中の自然
やはり旅行となると時間も限られますので、今回はボストンの中心部、いわゆる都会から近いのに自然も満喫できるという場所を皆さんにお伝えしたいと思っています。まずご紹介したいのは、ケンブリッジ(Cambridge)にあるマガジンビーチ(Magazine Beach)です。ビーチと聞くと海岸を思い浮かべるかもしれませんが、海ではなくチャールズ川沿いのエリアを指します。交通量や時間帯にもよりますが、ボストンから車で約10分ほど、自転車でも行けるくらいの距離です。川なのできれいな色をしたビーチというわけではないのですが、川のほとりを散歩できるようになっていて、カヌーをしている人を見たり、野鳥を見たり、ベンチに座って本を読んだりとのんびりとしたときを過ごすことができます。
ボストンの中心部にボストンパブリックガーデン(Boston Public Garden)やボストンコモンズ(Boston Commons)といった緑が多い大きな公園もありますが、ボストンの中心部にあるので常に人がたくさんいます。どこに行っても人ばっかりでなんか疲れたなというときに、さっと行けるのがこのマガジンビーチの魅力です。私はときどき犬を連れてこのあたりを散歩します。車の走る音が聞こえたり高層の建物があったりする中でのゆったりとした空間は、田舎の森の中と違ってまた別の趣があります。
歴史の街
次にご紹介したいのはコンコード(Concord)という街にある大きな国立公園(Minute Man National Historical Park)です。コンコードはボストンから20分~30分ほど北西に車を走らせたところにあります。この街はアメリカの歴史が好きな方にはおなじみだと思いますが、アメリカ独立戦争のきっかけとなったレキシントン・コンコードの戦いの舞台となったことで広く知られています。ちなみにレキシントンとはコンコードの隣町の名前です。この大きな公園は何箇所も駐車場や散歩道への入り口があり、ここが公園ですというようなフェンスや区切りがあまりないのが特徴で、この辺りを車で走っていると突然散歩道への入り口や歴史的価値のある家、牧場などが出てきます。それも公園の一部のようで、ボストンからたった20~30分行くだけでこんなにも風景が変わるのかと驚きます。観光バスや学校の遠足のバスなどもよく見かけますが、地元住民が自転車に乗ったり犬の散歩をさせたりトレイルランニングをしたりするのに使うことも多いようです。
数ある駐車場や入り口の中でインフォメーションセンターがあるところがやはりメインの入り口なのかなと思い行ってみると、散歩道を4分ほど歩いた所にインフォメーションセンターが出てきました。中にはアメリカが独立していった過程やこの辺りで起こった戦いの様子などが書いてある展示物やおみやげの店などがあるのですが、一番目をひくのが非常に大きな壁画です。アメリカの歴史に詳しくなくてもここで簡単な流れを頭に入れることができ、それを知った上でこの辺りの散歩道を歩いたり風景を見ると、自分が特別な場所にいるような気持ちになります。冬は雪が積もり、景色としてはきれいですが、自然を満喫するという意味ではやはり5月から10月くらいの間にこの公園を訪れるのがベストだと思います。
ボストンは都会ですが小さくまとまった街ですので、長い時間をかけて郊外に運転をしなくても大自然を感じることができるのがとても良いところだと思います。中心部で買い物や食事を楽しんで、ちょっと一息つきたいなというときに今回ご紹介した場所がおすすめですので、ボストンにお越しの際は是非行ってみて下さい。