クリスチャンの友人が言いました。「クリスチャンにとって、最も重要な日はイースターだ」と。イエス・キリストが十字架にかけられて亡くなって3日後に、復活した日を祝うのがイースターです。「キリストは死さえも征服した」ということで、信仰が深まるのかと思われます。毎年、日にちが異なりますが、3月下旬から4月のどこかの日曜日がイースターです。
早朝礼拝
私はどの宗派にも属しませんが、友人が行くイースターの早朝礼拝にお邪魔したことがあります。寒い明け方、丘の上に集まって讃美歌を歌い、牧師さんのお話を聞いた後、皆口々に “He has risen.(彼は復活した)”と言い、喜びの笑顔でハグ(抱擁)しあいました。勝手がわからず戸惑いましたが、キリスト教徒にとって重要な日であるのは伝わってきました。教会には、きれいなイースター・リリー(白い百合の花)の鉢植えがありました。ちょっと教会を覗いてみたい人は、イースターの礼拝に参加してみてもいいかもしれません。
エッグハント
子どもたちのために、エッグハント(卵探し)を開催する教会も多くあります。プラスチックの卵の中に、チョコレートやキャンディ、ジェリービーンズなどのお菓子、シールや小さなヒヨコちゃんが入ってたりするので、子どもたちは真剣そのもの。いくつ卵を見つけられるか競い合い、走り回って探します。家族やお友達とするエッグハントも盛り上がります。隠し場所を忘れてしまい、次の年になって「あ、こんなところにあった」と古い卵を見つけることもあります。家の中で腐ったら困るので、本物の卵を隠すのは、外の方がよさそうです。
卵、卵、たまご
イースター(復活祭)の日が近づくと、たくさんの卵を買います。固くゆでて色を塗ったり、絵を描いたりするため。それからデビルズエッグを作って食べるため。ゆで卵を作ったら、半分に切り、中の黄味を取り出して、マヨネーズやマスタードと混ぜて卵に戻し、赤いパプリカの粉をかけてできあがり。私の大好物ですが、イースターの時にしか作る気にならないから不思議です。
そしてラザニア
各家庭で異なりますが、私がイタリア系アメリカ人と結婚していた間は、イースターの日はラザニアとミートボール、イタリアンソーセージを赤ワインで楽しみました。もうお腹がいっぱいなのに更にチェリーパイをいただいて、家族、親戚とゲームや食後の散歩を楽しむのが恒例でした。義母が他界して何年も経ちますが、今もラザニアを見ると彼女を思い出します。もう食べることのない、おいしかった記憶に揺さぶられ、イースターの日はカンザスの家族を懐かしく思います。
イースターバニー
復活のイメージと子沢山のウサギというのがしっくりくるようで、「イースターといえばウサギ」ということで、イースターバニーのぬいぐるみが店頭に登場したり、ウサギの形のチョコレートや着色料たっぷりのマシュマロウサギもスーパーの棚に並びます。もちろん卵も欠かせないので、ひよこのぬいぐるみやお菓子の種類もたくさんあります。アメリカ人の家には、イースターバニーがお菓子の入ったバスケットを持ってきたりするようです。街のイースター・パレードでバニーの着ぐるみが現れると、子ども達とハグ(抱擁)をしたり写真を撮ったりと大人気です。
甦る – Resurrection
平凡な私の人生でもいろいろあって、どんより落ち込む日があります。しばらくグズグズしていたら、「もうすぐイースターだし、あなたも復活しちゃおうか」と友人が明るく言いました。それが気にいり、「よし、イースターだから再生だ。頑張ろう」と毎年、思います。それが私のイースター。キリストの復活を讃えつつ、春の訪れを喜びながら。
ご参考
復活祭:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E7%A5%AD