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- 【グルメ・ドリンク】春の味覚【ベトナム】
春夏秋冬と四季折々の旬の食材を使った料理を食べられるのは、日本料理の大きな特徴の一つです。一方、乾期と雨期の二つの気候しかないベトナムはどうでしょうか。一見「旬」はないかのように思えますが、実はきちんとあるんです。
果物天国のベトナム
常夏の国ベトナムでは、年間を通しておいしい果物が市場に出回ります。日本のような野菜の旬はそれほど多くはなく、またベトナム人もそれほど気にしてはいない様子。
しかし、果物は別。子供からお年寄りまでベトナム人は果物が大好物。一年中見かけるあの果物も、実は旬があるのです。時期外れの果物は、輸入しているものであったり、甘みが乏しかったりと、ベトナム人の舌を満足させることはできません。
市場やスーパーなどどこでも年間を通して見かけるマンゴーも、旬の季節はいま。マンゴーといえば、熟した黄色の皮で、中は非常に柔らかく、甘い果物をイメージする人がほとんどでしょう。しかし、ベトナム人はまだ未熟な青く、硬いマンゴーも好んで食べます。硬いマンゴーは酸味が強く、唐辛子と塩につけて食べるのがベトナム流。また、甘いマンゴーも物によってはまだ熟していないので、買ったあと自宅で追熟するのが一般的です。
日本の果物はベトナムよりもおいしい?
マンゴーに関していえば、ベトナムの方が甘く、サイズも大きくて値段もはるかに安いですね。マンゴーやドラゴンフルーツなどは、日本では気候柄栽培に適していないので、ほぼ東南アジアからの輸入に頼っています。輸出国は、まだ未熟なうちに果物を収穫してしまうので、甘みが十分伝わっていないのが原因です。
ただし、日本で栽培されている日本産果物は、どれも世界トップレベルのおいしさです。なぜなら、日本は品種改良の技術に長けているからです。たとえば、ベトナムでも高原地帯で栽培されている「いちご」。ベトナム人にも親しまれている果物ですが、日本のいちごと比べると、見た目も味も雲泥の差があります。
森のバターと称されているアボガドは、ビタミン豊富な果物。ベトナムでは育ちが遅い幼児に率先して食べさせたりします。
そのアボガドの旬は春先から秋口まで。アボガドは練乳と氷をミキサーにかけたスムージーとして飲んだり、サラダのトッピングにも利用されます。また、近年和食ブームがベトナムにも到来していて、日本食レストランが出す「レインボーロール寿司」という一風変わった握り寿司にもアボガドは切り身として使われています。日本ではお目にかかれない外国生まれの創作寿司なので、旅行の際は是非食べてみてください。
写真のこちらは「ブー・スア(Vu Sua)」と呼ばれる果物で、意味は「おっぱいミルク」。両手で握ると半分に割け、白色の汁を果肉と一緒に食べることができます。男性よりも女性が好んで食べる、ベトナムでお馴染みの果物ですが、旬は3月~5月。マンゴーと違って、旬をすぎると途端に市場に出回らなくなるので、旅行者は要チェックです。
果物は市場、屋台、コンビニ、スーパーなどどこでも売っています。市場や屋台では、主に量り売りなので、1キロいくらか値段をチェックして購入してください。
また、コンビニやスーパーではパック売りされているものもありますが、こちらはやや値段は高め。量り売りで買う場合は、袋に詰めて傍で待機しているスタッフに渡してください。重さを量って、値段のついたラベルを貼ってくれます。
最後は「タマリンド」。タマリンドはマメ科の植物であることは知っていましたか?日本では調味料として使われていますね。日本で市販されているタマリンドは、すでにペースト状に加工されたものですが、ベトナムでは市場や屋台で、そのままの状態で購入することができます。酸味が強いものと甘いものがあり、前者は調理用として、後者はそのまま食べる果物として人気があります。
ベトナムでは、タマリンドは調味料として身近な存在で、炒め物や貝料理などもタマリンドベースで仕上げます。
ベトナムで果物の食べ歩きを楽しみにしている旅行者も少なくないはず。しかし、「あれ?この果物がどこにも売ってない!」、「想像していたより甘くない……」と残念に思わないよう、事前に旬の果物を調べておくことをおすすめします。